Kさん(27歳)
先月、初めて胚移植しました。
結果としては陰性だったのですが、その際に先生に「1回目だし処置できないからこんなもんだね」と言われました。
1度目にはできないが、2度目以降できる処置とはどのようなものなのか、聞けていないのですが気になっています。
今月2度目の移植になるのですが、今のところ前回との違いはトコフェロールニコチン酸エステルカプセルというお薬が増えたくらいです。
2個移植のことを言っているのか、ほかに何かあるのか、教えていただけると安心です。
先月、初めて胚移植しました。
結果としては陰性だったのですが、その際に先生に「1回目だし処置できないからこんなもんだね」と言われました。
1度目にはできないが、2度目以降できる処置とはどのようなものなのか、聞けていないのですが気になっています。
今月2度目の移植になるのですが、今のところ前回との違いはトコフェロールニコチン酸エステルカプセルというお薬が増えたくらいです。
2個移植のことを言っているのか、ほかに何かあるのか、教えていただけると安心です。
宇津宮先生に、お話しを聞いてきました。

【医師監修】セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史 先生 熊本大学医学部卒業。1988 年九州大学生体防御医学研究所講師、1989 年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は 9,500 件を超える。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
まず、不妊原因は何かわかりません。月経異常はないですか?あればそこの対策をしましょう。
精子はいかがですか?当院では(どこでも)精子所見は46%がWHO(世界保健機関)の基準に達していません。このように男性が原因の不妊も半分近くあり、それならまた治療法も変わります。AMHはいかがですか。その値によっては体外受精の方法も変わります。
さて、主治医の先生の「1回目だし、処置できないからこんなもんだね」の意味。また、1度目でできなくて2度目にするべきことは1度目の試みで明らかになったことを基準にして対策を立てるのが一般的ですので、1度目の何がどうあったかはわかりませんから、全くこれだけでは他人の私にはわかりません。よってこれらは主治医の先生に聞いてみるべきでしょう。先生でなくてもそこらにいるクリニックのスタッフもいろいろ力になってくれるはずです。
トコフェロールニコチン酸エステルとは、ビタミンEです。抗酸化作用があり、血液循環を良くすると言われていますがそれほど期待できるほどではなく、当院ではあまり使いません。

基本的に、患者さんはすべて疑問があればすぐそこで聞いてその意味を理解しておくべきでしょう。それにあたって、患者さんは一般的なレベルから体外受精までのステップの不妊検査、治療における詳細を自分でよく勉強しておきましょう。そうしないと説明を受けても理解できないと思います。今では不妊症関連の説明書・本が沢山出ていますからそれらをいくつか手に入れて勉強しておきましょう。
ただし、インターネットは有害です。すべて「サクラ」による「嘘」と思って間違いありません。インターネットに書かれていることは忘れましょう。解説本では我々のグループJISARTのメンバーが書いたものは信用できます。アマゾンでも買えると思います。当院では解説本と新患教室、体外受精教室、PGT教室のDVDを作成し、患者さんに配布しています。患者さんは1回でなく、何度もDVDを見て勉強してくれています。
不妊症検査・治療は、女性医学、婦人科疾患から男性機能(特に精子所見)、卵子学、精子学、発生学、遺伝医学、さらには不妊症で行われる手術的検査、治療、そして妊娠、分娩など、様々な知識が要求されます。そしてその知識をもとに、ご自分で(夫とともに)夫婦
が受けるべき検査・治療を決めなければなりません。大変な医学です。こんな複雑な、大変な分野はどこにもありません。患者さんには気の毒ですが、頑張りましょう。
が受けるべき検査・治療を決めなければなりません。大変な医学です。こんな複雑な、大変な分野はどこにもありません。患者さんには気の毒ですが、頑張りましょう。
気になったことは、Kさんは167㎝、48Kgで、BMIは17です。やせすぎです。このまま妊娠したら生まれて来る子供が将来糖尿病になったり精神的不安を抱えたりなどが心配です。BMI:22の62㎏を目指しましょう。
27歳ですからまだまだ可能性は高いと期待してよいと思います。