【Q&A】移植前にERA検査すべき?~向林先生【医師監修】

さいさいさん(37歳)

移植する前にERA検査をした方がいいのかどうか迷ってます(ERA検査は本来、2回以上の流産を繰り返されてる人が対象だとは存じております)。
私は2年前に自然妊娠をし、胎嚢、卵黄嚢が確認できましたが、赤ちゃんの姿が見えないまま一度、稽留流産の経験があるので気になります。それと、子宮腺筋症がある場合も着床の窓に若干ズレが生じて着床しづらいという情報もわかったので、その2点でこのまま移植に進んでもいいのだろうかと悩んでます。
年齢も年齢なので、凍結できた良質の胚盤胞がとても貴重ですし、慎重にいきたいと考えてます。

奥村レディースクリニック 向林 学 先生にお話を伺いました

【医師監修】奥村レディースクリニック 向林 学 先生
近畿大学医学部卒業。近畿大学医学部附属病院、那賀病院を経て、平成19年奥村レディースクリニック副院長に就任。平成28年より同クリニック院長として、質の高い医療と話しやすい雰囲気づくりを目指して診療にあたっている。
日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会産婦人科専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

ご質問のERA検査は子宮内膜受容能検査として採取時の子宮内膜が着床可能な受容期にあるか否かを調べる検査法です。

今のところ、その有用性を将来的な保険導入に向けて評価を行う先進医療として実施されています。

そのため生殖医療ガイドラインにも記載がなく、先進医療では複数回の移植を行っても妊娠に至らない反復不成功の症例に対して実施されているため、質問者さんが受けるべき検査かどうかはコメントする事はできません。

子宮内膜受容能検査を行い子宮内膜受容能を評価する事の有用性を示す報告もあれば、子宮腺筋症が子宮内膜受容能のずれを生じさせるリスク因子となるとの報告もあるため、検査を受けるべきか悩まれるのも当然のことと思います。

現在までの治療経過を踏まえてどの検査・治療を優先するかについては、通院されているクリニックの先生とよく相談していただく必要があると考えます。

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