【Q&A】甲状腺治療と不妊治療の両立はできる?~浅田先生【医師監修】

こずえさん (41歳)
海外在住です。体外受精に向けて準備中のところ、飲んでいた甲状腺の薬が合わず悪化してしまい、甲状腺の数値がとても低くなってしまいました。もともとはバセドウ病で2年間は薬の治療も必要なく生活していましたが、妊活のため少し数値を下げようという先生の判断でした。「妊活はいったん休憩」と言われてしまいました。ショックです。
オンライン妊活診療などがあれば受けたいです。こちらは産婦人科のみで、親身になっていただける、相談できる先生がいません。
年齢のこともあり、これから甲状腺の事と妊活についてどういう形で取り組めばよいのでしょうか。今できることはあるでしょうか?

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

甲状腺機能障害と不妊治療の結果については、直接的な関係や明確なエビデンスはありません。
ただし、妊娠中の赤ちゃんの成長は、甲状腺ホルモンの影響を受けるため、妊娠後のために甲状腺機能を正常にしておくことが大切です。妊娠中の甲状腺機能はやや亢進状態にあって、赤ちゃんの成長を助けるような働きになっています。甲状腺に異常のある方は甲状腺専門の施設で適切に治療してください。

不妊治療の可否は、甲状腺専門の医師が判断します。甲状腺専門の医師が妊活を一旦休止と勧めた場合は、その指示に従います。
ただ、甲状腺専門の医師の間でも、妊娠や不妊治療に関して国内外において統一した見解がある訳ではありません。
内分泌内科といっても、ほとんどの医師は糖尿病専門であり、甲状腺疾患を専門として診ている医師は少ないのが国内の現状です。海外の事情についてはわかりません。

甲状腺機能障害がある場合でも、不妊治療は甲状腺専門の医師の指導に従い、通常と同じように行います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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