【Q&A】流産後の無排卵月経について~前沢 忠志先生【医師監修】

はせさん(33歳)
体外受精で妊娠し、21w2dで流産後、ちょうど1か月経って月経がありました。
7日目までは経血量など通常通りでしたが、その後ダラダラと少量の出血や茶色いおりものが続きました。
11日目には月経開始時のような鮮血が透明なおりものとともに少量出ました。
12日目からは出血がないものの、13日目に婦人科を受診したところ、エコーで36.9mmの卵胞を確認しました。
医師からは「流産後初めての月経で不安定なため、排卵していなかった可能性がある。今回は様子を見て次回の月経で異常があれば受診して」という指示でした。個人的には巨大サイズの卵胞排出のために何らかの薬を利用するのかと思っていたのですが、自然に排出されるのを待つのが得策でしょうか?
2か月後あたりから胚盤胞移植に向けた不妊治療を再開したい希望があり、一刻も早く無排卵状態を抜け出したいと考えています。

【医師監修】みのうらレディースクリニック 前沢 忠志 先生
日本産科婦人科学会専門医、指導医。日本生殖医学会専門医、指導医。母体保護法指定医。2005 年浜松医科大学を卒業後、初期研修を経て三重大学産科婦人科の医局に入局。済生会松阪総合病院、紀南病院などを経て、2012 年よりIVF なんばクリニック、IVF 大阪クリニックで不妊治療を学び、2016 年より三重大学医学部附属病院勤務。令和6年 みのうらレディースクリニック院長就任。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

■「流産後の月経が不安定で排卵しなかった可能性がある」とのことですが、そのようなことはよくあることでしょうか?

21週まで妊娠が進行していたため、妊娠中のホルモン状態になっていたことより、流産で妊娠が終了したあとも、しばらくはホルモン状態が戻っていなかったと考えられます。これは珍しいことではなく、誰にでもあることです。通常は2周期ほど生理を見送れば、月経周期は戻ることが多いです。

■巨大サイズの卵胞が通常考えられる期間を待っても自然排出されない場合は、手術や投薬などを行なったほうがよいでしょうか?

未破裂黄体嚢胞と考えられます。通常は、次の月経がくれば自然に消えることが多く、ほとんどの方が経過観察とします。採卵のための卵巣刺激を急ぐ人などは、カウフマン療法を1周期行ったりすることもありますが、通常は経過観察です。

■「胚盤胞移植に向け、一刻も早く無排卵状態を抜け出したい」とのことです。流産後の治療の進め方についてアドバイスをお願いします。

月経周期の戻る2回月経を見送るのが、通常の流れになります。早期の胚盤胞移植再開であれば、翌周期からのホルモン補充周期での胚移植が選択肢の一つとして挙げられます。
しかし、せっかく出来た良好胚盤胞であれば、きちんとした月経が戻ってから胚移植の準備をした方が、胚にとってもよりよい状態で胚移植を迎えられるかと考えます。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。