【Q&A】多嚢胞性卵巣症候群とビタミンD~森先生【医師監修】

yさん(30歳)
多嚢胞性卵巣症候群と診断されています。
月経は毎月来ますが、基礎体温を測ってみている限り無排卵な月も多々あります。
病院でビタミンDは排卵率を上げたり色々効果があると摂取を勧められサプリメントを飲んでいますが(1日1000IU)、調べてみるとビタミン
Dはテストステロン値も上がると知りました。
多嚢胞性卵巣症候群䛿男性ホルモン値も高いと聞いているので、ビタミンDの摂取は大丈夫なのかと不安になりサプリメントを飲むか悩んでいます。
ビタミンD摂取でテストステロンが増えてしまうことはありますでしょうか?

森 敏恵先生にお話を伺いました。

【医師監修】森 敏恵 先生(草津レディースクリニック)
日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会会員 生殖医療専門医、日本受精着床学会会員、日本卵子学会会員。神戸や滋賀県の産婦人科などを経て、草津レディースクリニック院長に就任。「笑顔になれるクリニック」をめざし、臨床心理士による心のケアなど、心身両面の治療を大切にしています。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
*多嚢胞性卵巣症候群の方が不妊治療をする際に積極的にとってもよいサプリや漢方があれば教えてください。
→多嚢胞性卵巣症候群の方にビタミンD欠乏が見られるという論文は多数ありますのでビタミンDということになります。
漢方薬は柴苓湯が候補に挙がるかもしれませんが、基本的にはご本人の体質に合わせて処方を受けるものなので、受診して処方していただいて下さい。
*ビタミンDを摂取するとテストステロンの値は上がりますか?また、多嚢胞性卵巣症候群の方がビタミンDを摂取しても問題ありませんか。
→ビタミンDを摂取することでテストステロンが上がるという根拠のあるデータはなさそうです。
多嚢胞性卵巣症候群とビタミンD摂取についての論文が出ていますが、摂取することで被害が出たという報告増えているようなことはないようです。現時点では問題ないと思われます。
ご心配でしたら、テストステロンの数値を測定していただいたらいかがでしょうか。
*多嚢胞性卵巣症候群と診断され、無排卵の月も多々ある場合、どのように不妊治療を進めていけばよいでしょうか?
→今までどのような治療を受けられてきたのか記載がないので一般的な進め方をお伝えしますね。
多嚢胞性卵巣症候群で排卵していない可能性があるのなら排卵誘発剤を使い卵胞を育てます。排卵誘発剤を使用することは珍しいことではないですし保険適用での治療ですので安心して受けていただけますよ。
この治療で奏功しない場合は、お考えになられているサプリや漢方を試されたら良いのではないでしょうか。
病院に行くことに抵抗がありますか?妊娠するためには排卵しなければなりませんが、排卵誘発剤を使うことが一番の近道だと思いますし、難しいことでもありません。早めに病院を受診し排卵を促し、卵子と精子を出会わせてあげれば、赤ちゃんとの出会いも早く訪れると思いますよ。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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