【Q&A】休職中に良い結果を出したいです~岡野先生【医師監修】

ちーさん(37歳)

融解胚移植を複数回するも着床せず。
次の採卵へ進む前に、今後の治療方針についてセカンドオピニオンをいただきたく、ご相談します。
これまでに、着床を促すよう以下の検査や薬の服用をしてきましたが、いずれも良い結果に結び付きませんでした。
・TRIO・二段階胚移植・SEET法・免疫抑制剤の服用・ラクトフェリンの服用
また、1年前に1回だけ妊娠判定陽性となったものの、7週目で流産しました。
流産後に一度、3個の受精卵についてPGT-Aを行いましたが、2個は異数体、1個は判定不能という結果でした。
今回の移植は保険で行ったので、PGT-Aは行っていません。
これだけ様々な方法を試しても陰性だとすると、今回も母体側ではなく卵子に問題がある可能性が高いのではないかと思っています。
費用面からなるべく保険を使いたいのですが、次回は思いきって自費(PGT‐A)にした方が良いのでしょうか。
それともまだ他に検討すべき治療などあるのでしょうか。
現在、不妊治療に専念するために仕事を1年間(今年の8月まで)休職しています。
休職中に是非とも良い結果を出したいと思っています。ご意見よろしくお願いします。

絹谷産婦人科の岡野真一郎先生に伺いました。

【医師監修】岡野 真一郎 先生 (絹谷産婦人科 副院長)川崎医科大学卒業後、広島大学医学部医局、広島市立安佐市民病院産婦人科、土谷総合病院産婦人科、公立みつぎ総合病院産婦人科、呉共済病院産婦人科、中国労災病院産婦人科医長を経て、2007年より現職。日本生殖医学会認定 生殖医療専門医、日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

 融解胚移植の反復不成功の原因として可能性が高いのは、胚の染色体異常と考えられています。

女性の年齢の増加に比例して、胚染色体異常率も増加していきます。

逆に、染色体正常胚が得られた場合は、流産率低下、妊娠率上昇が期待できます。

相談者さんは現在37歳とのことですので、自費診療にはなりますが、PGT-Aを考慮されても良いと思います。

保険診療希望であれば、胚移植があと2回可能ですので、胚盤胞が得られたら2個移植も考慮されてはと思います。

(その他、同種免疫検査 (Th1/Th2) が高値の場合、免疫抑制剤のタクロリムスを用いる治療法も行われていますが、これは保険適応がありません。)

いずれにしろ、担当の先生ともよく話し合われてみてはいかがでしょうか。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。