はなさん(40歳)
2020年5月に初めて体外受精を行いました。以降、体外受精と顕微授精を行い、初期胚と胚盤胞合わせて16個の良好胚を移植してきましたが、化学流産のみで妊娠に至りません。
慢性子宮内膜ではないものの子宮に若干の炎症があり、卵管狭窄が原因かもしれないとのことで2022年7月にFTを受けました。
2022年10月には子宮筋腫の手術を行い、あわせて内膜症も取り除いております。
その後、PRPやアスピリン併用するも、着床はするようになりましたが化学流産。
再度子宮鏡→CD138形質細胞検査にて慢性子宮内膜炎、卵管造影検査にて卵管水腫が見つかりました。
慢性子宮内膜についてはビブラマイシン14日服用、卵管水腫については再度FTを行いました。
その後の移植前に子宮鏡を行ったところ、子宮の炎症が悪化しており移植中止。
再度CD138形質細胞検査にて慢性子宮内膜との診断→子宮内フローラ検査→ラクトバチルス属58.8%、子宮内膜炎の原因とみられる菌の検出がほんの数%ですがあったため、オラセフ、フラジール服用。
また、子宮内NK細胞検査の際に末梢NK細胞の検査をしたところ、やや高値のため最終の移植にはイントラリピッドも併用しました。
夫婦の染色体の異常はありません。
保険での治療は終了となっております。
今後の治療方針として、「着床前診断にて正常胚を確保した上で、卵管切除を行う」という提案を頂きました。
良好胚を移植してもここまでうまくいかないのは、卵管水腫が原因であることが多いとのこだそうです。
ただ卵管水腫については、「これまでの治療経緯の情報がない状態で100人の産婦人科医が見たら90人はないと言うが、情報を知った上で見たらあると言うレベル」だそうです。
やはり着床前診断、卵管切除が賢明なのでしょうか?治療を終了するか、着床前診断・卵管切除するか迷っております。
私自身は漢方や鍼灸レーザー、運動や食事など体質改善も頑張ってきましたが、夫はタバコが辞めることができておりません。
これまでの不成功はタバコによる精子のDNA損傷が原因だとしたら、卵管切除の手術をしてまでもこれ以上治療を続ける意味はないのではとも思っております。
タバコの影響についても教えて頂きたいです。
山下先生にお聞きしました。
【医師監修】山下レディースクリニック山下正紀先生 1980年、奈良県立医科大学を卒業後、京都大学産婦人科に入局。舞鶴市民病院産婦人科の医長として同院の生殖医療を確立後、神戸中央市民病院で産婦人科医長、体外受精チーフとして数多くの患者さんの治療にあたる。1997年、神戸三宮に山下レディースクリニックを開設。一般不妊治療から高度生殖医療にわたる初診から妊娠成立までを一人で担当し、妊娠したカップルは10000組を超える。キッズルームを併設し、2人目不妊にも対応している。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
治療の経過を拝見いたしました。随分と頑張ってこられましたね。
ここまで頑張ってこられたのに思うような結果が得られなかったこ
良好と思われる胚を16個移植されて化学流産しか得られなかった
ご提案されているように、
今後は保険適用がされませんし、
今後も治療を続けられるかどうかは今一度ご主人とよく相談いたし
喫煙は間違いなく妊娠成立にマイナスをつくることになりますので
いずれにしてもご夫婦で納得できる決断をしてください。