【Q&A】移植周期に適したホルモン値はありますか?~高橋敬一先生

コッコさん(37歳)

先月4AAの凍結胚移植を行い、化学流産となりました。
化学流産の原因は不明ですが、移植前後のホルモン値に不安があります。
移植当日~判定日のホルモン値についてE2やP4が少し低めだと言われましたが、特に追加の処方などはありませんでした。
移植後4日目から再判定までずっと鮮血の不正出血が続いていました。
再判定で化学流産を告げられた翌々日には生理が始まり、たった2日で生理が終わりました。
化学流産となった直接の原因は不明だとしても、ホルモン値が低いとこうなってしまうのだろうか…とショックでなりません。
移植前や移植後のホルモン値で妊娠の継続が見込めるような、「コレくらいの値があったほうがいい」といったような理想の値はないのかな?と気になりました。
移植に適したホルモン値、移植後のホルモン値はどれくらい上がっている方が良いのでしょうか?
もし、ホルモン値が低い場合今後考えうる対策や検査はありますか?
移植はホルモン補充で行いました。(休診日が多いことと卵胞の育ちがよくないので自然周期ではやりませんでした)
エストロゲン:エストラーナテープ
D3からD13まで2枚→3枚→4枚の順で増えていき、D14~D19まではホルモン値が適しているためエストラーナテープは3枚になりました。
移植当日~再判定まではホルモン値が低いということで5枚になりました。
黄体ホルモン:ワンクリノン
移植周期初回のホルモン値(D3) FSH:6.5 LH:3.6 E2:18
移植6日前のホルモン値(D13) E2:124 P4:0.17
移植当日のホルモン値(D19) E2:125 P4:9.1
判定日①のホルモン値(HCGはIU/ml・BT11) E2:126 P4:5.41 HCG:0.019
判定日②のホルモン値(HCGはIU/ml・BT18) E2:154 P4:7.08 HCG:0.003
よろしくお願いいたします。

高橋敬一先生にお伺いしました。

高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください 
コッコ様。
胚移植後の出血があり、ご不安と疑問があるのですね。
E2のホルモン値は100以上ありますので、特段低いとは言えず、大きな問題はありません。
P4はやや低めですが、異常と言えるかどうかは微妙です。
P4≧10ならば全く問題はありません。
ただし、ワンクリノンはP4の立ち上がりがやや遅い傾向があるようです。
出血があった場合には、次回は他の黄体ホルモン膣剤や、黄体ホルモンの飲み薬や注射の併用も考えては如何でしょうか。
もし高温期に頻回に出血がおこっているならば、子宮鏡や慢性子宮内膜炎、子宮内フローラの検査も受けて良いかもしれません。
判定日①②のHCGの値はかなり低く、妊娠しているとの判断だったのでしょうか?
基準値が分かりませんが、妊娠しているとの判断は難しいと思います。
胚が残っているならば、子宮内の検査をおこない、別の黄体ホルモン剤の使用などを考えて治療を進めては如何でしょうか。
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