【Q&A】低AMHでもアンタゴニスト法は可能でしょうか?~俵史子先生

なかなか結果が出ない体外受精。誘発方法の変更について、

俵史子先生にお伺いしました。

俵IVFクリニック 俵 史子 先生
2007年静岡市に開業。浜松医科大学に生殖周産期医学講座(寄附講座)を開設し、不妊治療後の妊娠・出産がより安全なものになるよう研究を行っている。また臨床教授、非常勤講師として将来の不妊治療医の育成にも従事。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

Karinさん(39歳)

いくつか質問させて下さい。
両側卵管閉塞で体外受精をすすめられ、去年の夏から3回行いました。
2021年8月低刺激(クロミッド、ゴナールエフ)で2個採卵し、1つが変性卵、1つは受精するものの胚盤胞までいかず移植キャンセル。この時の病院の移植は胚盤胞のみしか行なっていませんでした。
2回目は仕事の都合と分割胚での移植を希望して転院。2022年1月レトロゾールとHMGで2個採卵。2個とも受精卵になり、グレードは良い方(グレード2)を分轄胚で新鮮胚移植するも陰性。残りの1つは分割胚で凍結。
その後すぐに同じ方法で3回目の採卵をしようと思いましたが、採卵日にすでに排卵しキャンセルに。
年度切り替えで、保険適用に変わるという時期でもあるので2周期ほど休んでもう一度採卵から始めようと思っていますが、簡易法だと採卵日を調整する事が大変で、それがストレスになるので、次はアンタゴニスト法を試してみたいと思っています。採卵数は期待していません。採卵日の調整という理由だけでこの方法を選択するのは難しいでしょうか?
あと、今回2周期連続で卵巣刺激をしたのですが、採卵キャンセルになった2回目は排卵前から黄体ホルモンが出ていて、あまり良い状態ではなかったそうです。
これは連続で卵巣刺激を行ったせいでしょうか? それともたまたま今回がそういう状態になっただけなのでしょうか?
またお休みしている周期だけ生理を止めて卵巣を休ませるというのはメリットはあるでしょうか?

検査データや相談内容を見て、先生の考えをお聞かせください。

ご年齢の割にAMHの値が低く、内膜症も合併していることから、早く妊娠に至るよう1回1回の採卵を慎重に行う必要があると思います。

顕微授精を3回行い、まだ結果が出ていない理由としてどのようなことが考えられますか

男性因子、卵管因子、内膜症、AMH低下など複数の不妊要因をお持ちでいらしゃるため、精子側の問題だけでなく卵子、胚、着床それぞれの原因を考えることとなります。

相談者さんはアンタゴニスト法を試したいと思っているそうですが、低AMHの患者さんがこの選択するのは可能でしょうか?

本来良好卵子を回収するために誘発方法をや採卵時期を選択したいところですが、本人がご都合を優先したいということであれば考慮されると思います。

採卵キャンセルになったのは、連続して卵巣刺激を行ったことも関係あると思われますか?

当院では、連続しての誘発を行うことはあまりありません、続けての卵巣刺激が卵巣に負担をかけている可能性は否定できません。

先生ならどのような検査や治療を提案されますか?またその他、何かアドバイスがあればお願いします。

1回の採卵で複数の卵子を回収するのが難しい方の場合、状態のいい卵子に出会うことができるまで採卵回数が多くなってしまう可能性があります。
調節卵巣刺激による排卵誘発もトライしてみることもよいですが、その場合は特に続けての採卵は避けたほうが良いと思います。
また内膜症がある方は、着床環境にも注意する必要があると思われます。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。