子宮腺筋症と不妊治療について

子宮に関連するトラブルはいくつかありますが、今回は子宮腺筋症について

神田ウィメンズクリニックの清水真弓先生にお教えいただきました。

清水真弓先生(神田ウィメンズクリニック)信州大学医学部卒業後、東京女子医科大学産婦人科にて産婦人科専門医・医学博士取得。その後木場公園クリニックに6年勤務し生殖医療専門医を取得。2020年に神田ウィメンズクリニックを開設し院長に就任。「スタッフが親身で結果も出すクリニック」をモットーに、妊活初心者でもわかりやすく、また働きながら妊活する女性も通いやすいクリニックを目指して日々診療にあたっている。

はれさん(34歳)   2人目不妊で、今、治療中です。先日、子宮腺筋症と診断されました。ただ、生理痛は酷い方ではなく、というかほとんど無い状態で、出血量も多くないため、内診してもらったことでわかりました。

先生からは「あなたの子宮腺筋症は軽度です。その場合は治療する必要はなく、しばらく様子を見ましょう」と言われています。ただ、子宮腺筋症になると、着床障害を引き起こすとも聞いています。軽度の子宮腺筋症の場合でも妊娠の妨げになったり、不妊治療に影響が出ることはあるのでしょうか。もし、妊娠へ影響がある場合は治療したいと考えています。

子宮腺筋症とは、子宮筋層が厚く硬くなるトラブル

程度によって不妊や流産・早産につながることも

子宮腺筋症とは、子宮内膜(子宮の内側を覆う粘膜)が、子宮筋層(子宮の壁に相当します)で発育する病気です。子宮筋層内にある子宮内膜組織が月経周期に応じて出血をおこすため、子宮筋層は次第に硬く大きくなります。

全く無症状の方もいますが、月経痛や過多月経を伴うことが多く、悪化すると不妊症や流産・早産の原因になることもあります。妊娠中や閉経などで月経が止まると腺筋症は小さくなります。

軽度の場合は、しばらく様子をみるといいでしょう

子宮腺筋症の治療法にはホルモン療法や手術があります。ホルモン療法は何種類かありますが、いずれも排卵を止めることになるので不妊治療との両立は基本できません。また手術は今のところ保険適応がなく、受けられる医療機関が限られています。

はれさんのように自覚症状がない軽度の場合は、不妊症の原因となる可能性も少ないと考えられるため、主治医の先生がおっしゃったようにしばらく様子を見るのがいいと思います。

ちなみに以前、子宮腺筋症で着床障害が疑われた患者さんが、ウルトラロング法という方法で妊娠に至ったことがあります。これは、ホルモン剤を使って数か月生理を止め、病変を小さくした後に胚移植を行う方法です。軽度から症状が進行した場合でも治療法はあるので、かかりつけ医に相談してみてください。

出来るだけ早く妊娠できるよう、ステップアップも視野に

子宮腺筋症は、生理を重ねるたびに症状が進行するため、できるだけ早く妊娠することが望ましいです。

はれさんは、AMHも1.45と低めなので、早めにステップアップを検討してみるようにしてください。不安なことはかかりつけ医や医療機関のスタッフに相談しながら、治療にのぞんでくださいね。

 

 

 

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