不育症検査やPGT-A 検査を受けたほうがいい?

治療6年目にして妊娠。
残念ながら流産でした。
治療再開前に検査は?

いながきレディースクリニック 稲垣 誠 先生 1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」。
天使ベアさん(33歳)2014 年から不妊治療を開始。同年に初期流産し、その後6年間で4 回の採卵、7 回目の移植にて2020 年にやっと妊娠。喜んだのも束の間で17 週で流産してしまいました。凍結胚が2 つあり、状態は良いとのことで、いずれ治療を再開しようと思っています。しかし、また流産したらどうしようという不安があり、まだ踏み出せません。治療の再開前に不育症検査やPGT-A 検査を受けるべきか悩んでいます。現段階で受けたほうがいい検査について教えてください。

治療歴から気になる点はありますか。

稲垣先生●長年の治療の末、やっと授かった赤ちゃんを流産されたのは、本当に残念なことでした。それでも、治療再開を前向きに考えられるようになったのは良かったと思います。
 さて、天使ベアさんは男性不妊が発覚してからも、採卵4回、凍結胚の移植7回と、積極的に治療を試みていらっしゃいます。しかし、不育症検査は受けていらっしゃらないようです。
 不育症とは流産や死産を繰り返し、妊娠するものの、妊娠を維持する機能がうまく働かず、成熟した赤ちゃんが得られない場合をいい、高齢になるほど増加します。また、流産を2回以上繰り返した際には不育症と定義されますので、天使ベアさんは検査の対象となります。
 不育症の主な原因は、女性側の因子としては子宮形態異常、甲状腺機能異常、抗リン脂質抗体陽性、夫婦双方にかかわる因子としては染色体異常が挙げられます。まずは不育症のスクリーニング検査を受けてから、その後必要な検査を受けることをおすすめします。併せて、子宮内フローラや腟内の細菌培養検査も受けておくといいでしょう。

PGT -A 検査も、現時点で受けたほうがいいのでしょうか。

稲垣先生● PGT -A 検査は体外受精で得られた胚の染色体数を移植前に調べる検査です。胚の染色体数を評価し、異数性を示す胚盤胞を移植候補から除くことにより、流産リスクの減少や、妊娠率の向上などが期待されます。しかし、検査のために細胞を採取することによる胚へのダメージが妊娠率の低下に繋がるかがまだわかってはいません。
 もし検査を受けるご希望があれば凍結胚ではなく、新たに採卵し、胚盤胞まで培養することとなります。
 最近はPGT -A 検査を受ける方が増えていますが、メリット、デメリットの両面をよく理解したうえで、検査に臨んでいただきたいと思います。

不育症検査を受けることで、妊活を前向きに再開できそうですね。

稲垣先生●天使ベアさんの治療歴は長いですが、年齢が30代前半ですので、治療の効果が出る可能性は高いと思われます。治療をお休みしている今のうちに、不育症などの検査をしっかり受けて不安要素を少しでも減らし、安心して治療に臨んでいただきたいです。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。