子宮内膜の厚さ…着床に関係する重要な要素のような気がします。
厚み…一体いつの厚みを考えるべきなのでしょう???
浅田先生にお聞きしました。
おやまさん(38歳)
ロング法での採卵周期で生理五日目の頃に子宮内膜の厚さを測ったところ8mmありました。先生から「この時点では もう少し薄いといいんだけど…」と言われました。それ以上突っ込んで聞くことができず悶々としたまま採卵、移植へと進 みましたが、上手くいきませんでした。移植時の内膜の厚さは12mmでした。
よく移植時の内膜が“厚い”ほうがいいといわれますが、それは生理後に薄くなり新しい内膜ができて厚くなることを“良 し”とするのであって、生理後も厚いままだとそこから4mm厚くなって結果12mmだったとしても、良い状態とは言えない のでしょうか。また、薄くならないのはなぜか、どうしたら薄くなるのか教えてください。
もう一つ質問です。ロング法で高温期からスプレキュアを使っています。約1か月使いますが、その後の治療再開まで にどのくらい期間を開けるのが望ましいのでしょうか。採卵前に使用をやめ、またすぐ次の高温期に使用を繰り返すこ とで何か悪い影響はないのでしょうか。
子宮内膜は、生理の時に卵胞ホルモン、黄体ホルモンが急激に減少することによって剥がれ落ちるため、そのようなホルモンの動きがないと、中途半端な厚さになるかもしれません。
採卵の時には問題ありませんが、新鮮胚移植の際に古い内膜が中途半端に残っていると、内膜の条件が悪く、子宮内の低酸素環境をうまく保てない可能性があり、移植の成績が落ちることも考えられます。ただ、現在は、受精卵を凍結し、別の周期に移植に適した内膜をつくって移植するという方法が主流となっており、そのような場合は採卵時の内膜の厚さは影響しないと思われます。移植の際は、低酸素環境を保てるという点で内膜は厚い方が望ましいですが、古い内膜が残って厚いというのは意味が異なります。
ロング法で使用するGnRHアゴニスト(スプレキュア)を心配されていますが、GnRHアゴニストは、最初はホルモンを上げるほうに(フレアアップ)、その後ホルモンを下げるほうに働き(ダウンレギュレーション)、使用後しばらくしてから元の状態に戻ります。ですから、どのようなプロトコールを用いるかということになりますが、ダウンレギュレーションの影響がなくなる時期に使えば問題ありません。
ただ、私はロング法は欠点が多くメリットが少ないと考え、2009年に使用を止めました。今はほとんどアンタゴニスト法で対応しています。
ロング法を使用するというのは、古典的な方法だと言わざるを得ません。