凍結胚の移植を2個同時か、1個で移植するか迷い中
相談者は2個同時に凍結胚の移植をすると妊娠率が上がると思っています
凍結胚を1個戻すよりも2個同時に戻したほうが妊娠する可能性は高くなります。おそらく相談者のももたさんは2年前に2個同時に凍結胚を移植し、その際に着床した経験(その後胎囊確認できず化学流産)をしているのもあり、「2個同時戻し」を希望をされているのではないかと思います。初期胚移植の場合は2個移植が多く行われます。
ただ、昨年頃から生理周期が19~21日と短くなってきているとのこと。閉経が近づく=生理の間隔が長くなると思っている方もいるようですが、実際はその逆で閉経が近づいてくると生理周期が短くなることが多いです。年齢から推測すると、なかなか採卵できない、採卵できたとしても妊娠に結びつく卵子が採れないという状況が続く可能性があります。
9年前子宮腺筋症を患い昨年再発。子宮腺筋症は妊娠に影響する?
子宮腺筋症とは、本来なら子宮の内側にだけある子宮内膜が、内膜の外側にある子宮筋層に発生するトラブルです。子宮の壁を厚く、固くしてしまうのが特徴。出血量が多くなり、ひどい生理痛がみられます。不妊の原因の一つでもあります。移植前に子宮腺筋症の治療を進めておくのは時間がかかり、年齢を考えると難しいと思います。
次の移植で妊活卒業も考慮。アドバイスをお願いします
45歳なので、採卵できるのを待ったり、子宮腺筋症の治療をするよりも、今ある1個の凍結胚をできるだけ早く移植するのがいいでしょう。生理周期が短くなっているのは卵巣機能が低下しているサインなので、移植する際はホルモン補充周期できちんと子宮内膜の状態を整えてから移植することが大切です。
過去にうまくいった事例に倣いたいという気持ちはわかりますが、時間をかけたり、先延ばしにすれば妊娠に結びつく卵子が採れるという保証はありません。もし妊娠成立した場合、高齢になればなるほどトラブルを引き起こす可能性は高くなり、分娩時もリスクが上がる傾向にあります。そのためにも納得のできる早い時期に1個ある凍結胚を良い条件下で移植するのがいいと思うので、ぜひかかりつけの先生に相談してくださいね。
- 先生から
- 妊娠、出産のことも考え、できるだけ早い時期に今ある凍結胚の移植を!