4AB受精卵が陰性に。 着床障害の検査をすべきか悩み中です
相談者:みゃーさん(39歳)今まで体外受精を 2 回しました。刺激法はアンタゴニスト法で す。1 回の採卵で 12 ~ 14 個と個数は採れますが、二度の採 卵で、胚盤胞まで行ったのは毎回1つ程度です。先日、採卵時 グレード1で4ABになった胚盤胞を移植したものの、陰性でし た。卵子の質の問題かと思い、漢方を飲んだり、鍼灸にも通院 中。ただ、年齢的なこともあり、着床障害の検査をすべきか悩 み中です。ちなみに今の医師には、着床検査はまだ早いと言わ れましたが、他院の先生のご意見もぜひ伺ってみたいです。
相談者のみゃーさんは、着床障害の可能性を考えているようですが
、着床障害の診断基準についてお教えください。
臼井先生●着床障害かどうかですが、今は「 40歳未満で、 3 回の移植で 4つ以上の受精卵を戻しても妊娠しない」場合、着床障害の可能性があると診断されます。着床障害の原因には、受精卵側に問題がある場合と、受精卵を受け入れる子宮側に問題がある場合があります。
比較的グレードのいい4ABの胚盤胞を移植し、陰性だったようですが…。
臼井先生●グレードのいい受精卵を戻しても妊娠しない場合、子宮側になんらかの問題があることが想定されます。考えられるトラブルの一つに慢性子宮内膜炎があります。子宮内膜の奥の部分(基底層)に細菌が入ってしまい、常に炎症を起こしている状態になるトラブルで、自覚症状が少なく、受精率が悪くなるのが特徴です。慢性子宮内膜炎の場合は、抗生物質を服用すれば治療することができるので、過度に心配しなくて大丈夫です。
着床障害を調べる検査とはどんなものでしょうか。
またみゃーさんの場合、どんな検査を受けたほうがいいでしょうか。
臼井先生●さまざまな検査がありますが、まずは、みゃーさんが希望されているERA検査を受けてみるのもいいでしょう。ERA検査とは、子宮内膜の組織を少し採取し、着床に適した状態はいつ頃なのか、より細かく算出するための検査です。検査結果より移植に適した日が分かるため、着床率がアップする可能性があります。みゃーさんの場合、体外受精はまだ 回目ですが、複数回体外受精をやっても妊娠成立しない場合は、当院では不育症を調べる検査をすることもあります。医師と相談しながら、ご自身が希望する検査を受けるようにしてください。不妊治療でたまりがちなフラストレーションを少しでも払拭でき、納得して治療を受けることができます。
そのほか、みゃーさんが妊娠に向けてやっておいたほうがいいこと
、今後の治療へのアドバイスをお願いします。
臼井先生●できればもう少し体重を減らすといいでしょう。おかずの量はそのままで、ご飯(糖質)の量を少なめにしてください。
また、「やり方を変えてみる」のも方法の一つです。医師と相談し、胚盤胞ではなく初期胚を移植する、刺激法を変えてみるなど、今までと採卵法、移植のタイミングを変えてみるのも有効だと思います。みゃーさんは、まだ体外受精 回目 なので、今後、妊娠の可能性は十分に考えられます。希望をもって治療にのぞんでくださいね。