クリニック選びのポイント

不妊治療は短期決戦で。 しっかりとした 病院選びを!

蔵本 武志 先生 久留米大学医学部卒業、山口大学大学院修了。山口県立中央 病院産婦人科副部長、済生会下関総合病院産婦人科部長を経 て、1990年オーストラリア・PIVETメディカルセンターへ留学。帰国 後、1995年蔵本ウイメンズクリニック開院。JISART(日本生殖補 助医療標準化機関)理事長。久留米大学医学部臨床教授。

蔵本先生がおすすめするクリニック選びのポイント

□根拠に基づいた治療を行っている
□ 治療の見通しや目安を示してくれる
□ いい治療実績をオープンにしている
□ スタッフと施設が充実している
□ 相談しやすい雰囲気がある
□ 品質管理や安全管理の意識が高い
□ プライバシーが守れる(個室診療)

品質認証やスタッフの質 など、病院を見るポイント

  現在日本には615のART(生殖補助医療) 登録施設(2018 年の統計)があり、新旧交 代はあれど都市部では増えている傾向にありま す。少子化が進行するなか、出生児の約 17 人に1 人は ART 由来出生児と言われ、一般不妊治 療だけでなく高度不妊治療がますます求められ ています。「不妊治療は短期決戦で」という意識 が重要。不妊治療に取り組む方には「近い」「施 設が豪華」という理由だけでなく、しっかりと した病院選びをしていただきたいです。
まず一流の学術誌に掲載され、多くの医療 施設で取り組まれている「根拠のある治療法」 を行っているか。ご自身も不妊治療について学 び、受け身ではなくどんどん医師に質問して いきましょう。
「品質管理」も重要です。部屋の清浄性はもち ろん卵子、精子、胚の取り違え事故などが起 きていないか。高品質の医療の提供などが、明 確にシステム化されていることを国際的に認証している ISO9001 のような認証を取 得している施設がおすすめです。
  ハード面も大事ですが「スタッフの充実」と いったソフト面にも注目しましょう。学会や勉 強会などに参加し、それを取りまとめる指導 者がいるような教育が行き届いた施設には、ど んな質問にも明確な回答を行い、その場で不明 なことも調べたうえで、素早くレスポンスして くれるようなスタッフがいるはずです。

一般不妊治療から ART への 移行は半年を目処に

出産率は 35 歳頃より減少傾向を示し、 38 歳 頃を境に急激に低下して流産率が上回るように なります。日本の ART 治療周期のピークは40 歳と世界的に見ても治療の取り組みが遅い傾 向にあり、女性の年齢の上昇とともに卵質の低 下が起こり、治療 1 回あたりの妊娠率、出産 率が低下していきます。たとえばインドネシア での ART のピークが 30 ~ 32 歳と考えるとそ の年齢差は歴然です。

そして、日本ではすべての患者さんに「低刺激法」を行う施設もありますが、採卵数が 少ないために何度もトライするようでは効率 がよくありません。 30 代で卵子の数がそこそ こあると判断されたら通常刺激法を行い、 1 度に8~ 10 個の採卵を目標にしましょう。それ により採卵 1 回あたりの妊娠率、出産率は上 がります。

また当院の調査では、仕事を辞めたり、非 常勤にするなど働き方を変えた人は、 1 年以 内で 3 割、 3 年間治療している人は 6 割という 結果が出ました。治療を長引かせることはさ らに妊娠しづらくなるとともに女性の人生をも 大きく変えてしまいます。

不妊治療は3年を目処に、特に 35 歳以上の 方は一般不妊治療で半年間結果が出ないなら、 ART に移行することをおすすめします。ま たそのような的確なアドバイスが行える医師 と出会うことが一番の近道です。

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