Q 「卵管造影検査をしましょう」 と言われて不安です…
ドクターアドバイス
卵管造影検査とはどんな検査ですか。
福田先生 卵管は、卵子と精子が出会い、ここを通って子宮に向かうため、妊娠するためにとても大切な器官です。「卵管造影検査」は、その卵管に詰まりや、子宮や卵巣にトラブルがあるかを、子宮口から造影剤を流し、超音波を使って確認します。
造影剤を流し込んだ勢いで卵管の詰まりが解消されることもあり、「検査後、すぐに妊娠した!」という方も多く見受けられます。
EST さんは、 1 回タイミングをみてもらってから検査をすすめられていますが、本来ならば治療を始める前に検査を受けるのがいいでしょう。卵管が詰まっていると、いくらタイミング療法や人工授精を行っても、精子と卵子が出会えず、妊娠できないからです。
「そろそろ妊活しようかな」と思ったら、産婦人科などで検査を受け、チェックしておきましょう。
「リスクがある」とネットに書かれて いるそうですが、本当ですか。
福田先生 リスクはあります。
一つは「痛み」。検査の準備として検査の前に細い管を入れ、子宮内を風船のようなものを膨らませます。その時に多少の痛みが出る場合があります。また、卵管や卵巣、子宮内部の様子を見るため造影剤という薬を子宮口からお腹へ流す際、圧を加えるため痛みが出ることも。鎮痛剤を服用すると軽減できます。
二つめは「菌などの感染リスク」です。卵管や子宮に菌がいた場合、造影剤の流れにのって菌がお腹へ広がり、腹膜炎などの感染症を起こすことがあるため、検査後は予防のために抗菌薬を服用してもらいます。
3つめのリスクは「被ばく」による影響です。レントゲンによる被ばく量は微量ですが、「可能性がゼロ」というわけではありません。被ばくの影響をとても気にされるのであれば、違う方法で卵管が通っているか確認するといいでしょう。
違う方法とは具体的にどんな方法があ るのでしょうか。
福田先生 造影剤の代わりに生理食塩水を子宮口の入口から入れ、通過のしやすさやポリープの有無などを超音波でチェックする「卵管通水検査」と、子宮口から空気を入れ、通過性をみる「卵管通気検査」があります。いずれも被ばくの心配はありませんが、造影剤を使った検査に比べて細かい部分までチェックできないというデメリットがあります。
また、造影剤にはヨードが含まれているため、甲状腺機能にトラブルがある方も NG なので、卵管通水検査や通気検査を受けてください。