これからの季節、つらさが増す「冷え性」。
冷えと不妊の関係は明ら かにはなっていませんが、体が冷えていては血液の巡りも悪くなり、 赤ちゃんを迎えるための十分な備えが整わないことも。
また、体温が 低いと免疫力も落ちるので風邪などにもかかりやすく、思わぬ不調の 原因にも。
今のうちにしっかり改善し、元気なママを目指して!
「冷え」を訴える女性は増加中! 現代女性の低体温も気になるところ
低体温の女性は月経不順に なりやすいというデータも
体が冷えているということは、血液の巡りがよくないということでもあり、卵巣などの生殖器官にも十分に栄養が届きません。体温が低い女性は月経不順になりやすいというデータもあります。冷えを自覚されている女性は、妊娠を望む前の若いうちから改善しておくべきだと思います。
現代人の体が冷える原因として考えられるのは、まず貧血と筋肉不足です。偏食や間違ったダイエットによる栄養不足が貧血を招き、デスクワークなどの座りっぱなしの生活は筋力不足を招きます。普段のちょっとした習慣が実は冷え性を助長していることもあるので、一つひとつ見直していきましょう。
血液検査で足りない栄養をチェック。 まずは朝食から見直しを!
冷え性や低体温、低血圧を訴える患者さんには、まず血液検査をおすすめしています。血液中のヘモグロビンだけではなく、鉄分や亜鉛といった血液成分まで検査するとよいでしょう。同時に、念のため甲状腺疾患の有無なども調べておくと安心です。女性は月経で毎月血液が失われるために、どうしても貧血になりやすい傾向にあります。血液検査で足りない成分が判明すれば、食事に気を配って積極的に補うことができます。
「葉酸やビタミン剤などのサプリメントをのんでいるから大丈夫」という方も、過信は禁物です。健康の基本はやはり食事にあり、食事から得た栄養が体をつくります。
特に、朝食は食べない、もしくはスムージーだけといった食習慣は要注意です。冷えを訴える患者さんには、朝食を食べない方が実に多いのです。朝に欠食すると身体でも脳でもエネルギーが不足し、一日を元気にスタートすることができません。スムージーなどは健康的なイメージがありますが、生野菜や果物の多くには体を冷やす作用があります。理想的なのは、ご飯、豚汁などの具だくさんの味噌汁、納豆、卵料理といった朝食。温かい食べ物は物理的にも体を温め、米などの糖質はすぐに体と脳の栄養となり、肉・魚・豆・卵に含まれるたんぱく質は筋肉や細胞の材料となって働きます。もしもダイエット中ならば、朝食はしっかりと摂って夕食を控えるとよいでしょう。
筋肉不足も低体温の原因に。 ウォーキングなどで血行を改善
血の巡りをよくするためには筋肉づくりも大切で、特に脚の筋肉は“第二の心臓”と呼ばれるほどです。脚の筋肉が衰えるとポンプ機能が働かず、重力で下半身に溜まった血液や体液を心臓に圧し戻すことができなくなり、むくみやすくもなります。有酸素運動のウォーキングは手軽で最善の改善法です。太陽光を浴びると、ビタミンDを体内生成することもできるので、日焼けの心配をあまりしなくてもよい早朝などに歩いてみましょう。顔はしっかりUVケアしても、手のひらやひざ下を日光に当てるだけで十分です。
「冷え性」だけをピンポイントに改善することは困難です。栄養バランスの整った食事と適度な運動を心がけ、日中は活発に過ごし、夜はゆっくり湯船に浸かって入浴してからぐっすり眠る、こうした規則正しい 1 日の積み重ねが改善の第一歩であり、健康づくりの基本だと心得ましょう。