卵胞エコーチェックでわからないといわれました

検査薬陽性→受診、 排卵日の推定が なかなかできません。

ウェブジネコに投稿されているユーザーさんの悩み のなかに「医師とのコミュニケーションがうまくい かない」と困っているケースをよく見受けます。

質 問するためには、どんなことを知るべきか、また、 どんな質問を投げかけるとよいか、秋山レディース クリニックの秋山芳晃先生にお聞きしました。

秋山 芳晃 先生 東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大 学附属病院、国立大蔵病院に勤務後、父親が 営んでいた産科医院を継ぎ、不妊症・不育症診 療に特に力を入れたクリニックとして新たに開業。
相談者:夢さん(29歳)Q. 現在通院によるタイミングをとっており、自宅 での排卵検査薬と病院でのエコーでの排卵日予測 でタイミング治療6周期目に入っています。周期 もバラバラで29~36日のため、D12あたりか ら排卵検査薬を使い、陽性が濃くなってきたら病 院へ検査に行っています。今回も自宅で排卵検査 薬が②弱い陽性を示したのでD14日目にチェック をしたのですが、左は見えず、右が1.3mm。医師 からは「③排卵済みなのか、これから大きくなるの かわからない」といわれてしまいました。排卵検 査薬も1日1回17時に使うだけなのでD13の強 陽性を見落としたのか、エコーでもわからないと いわれるとどうやってタイミングをとっていいの かわかりません。半年頑張っていますが、ほかに 何かできることがないか医師に聞いても「若いか ら焦るなよ」としかいってくれず……。夫婦そろっ て④毎日タイミングがとれないので、どうしたらい いか困り果てています。

①検査薬の判定で受診日を決めて 排卵日を推定するのは難しい

排卵検査薬の反応が強くなったら病院を受診してい るということですが、それは担当の先生の指示なので しょうか。排卵が不規則な傾向にあるのなら、その日 1回の卵胞計測での排卵日確定は困難となることがあ るかもしれません。
 先生から「次は何日目に来てくださいね」という指 示があるようならその通りに受診してみる。特にその ような指示がなければ「生理がきてしまったら、何日 目に診てもらえばいいですか?」と聞いてみてはどう でしょうか。
 ご自宅での検査薬の結果だけで予測して受診日を決 めるのは、自己タイミングとほとんど変わらず、排卵 日をより確実に推定できない可能性があります。

②排卵が不規則な人は検査薬を使っても はっきり陽性にならないことも

排卵検査薬は脳から分泌される排卵の引き金である LHというホルモンの上昇を尿で調べる方法です。
 検査の陽性反応はLHのピークが生じたことを意味 しますが、LHの下降期にも陽性になることがあるの で、予想される月経開始日の17日くらい前から毎日検 査を行い、そのキットの陽性の目安と同じ程度か、そ れより強くなった時を陽性と判断します。状況により、 1日に2回行うとさらにはっきりするかもしれません。
 検査陽性から2日以内に排卵する確率は84~91% という報告があります。しかし、排卵が極端に不規則 な方の場合、検査を開始する時期の判断が難しかった り、夢さんのように弱い反応が続き、最後まではっき りした陽性にならないことがあります。

③経時的変化を細やかに 見ていくことが必要

私たち医師がタイミングを見ていて も、「排卵日がなかなかつかめず、い つの間にか排卵してしまっていた」と いう経験もあります。そのようなこと を避けるために、できるだけ数多く卵 胞計測をしていく、あるいは採血をし てホルモン計測を行っていくという方 法で対応しているんですね。

また、あやしい場合は「タイミン グはできるだけみていきますが、予 想外のことも起こりうるので、ご自 分たちのタイミングで可能な時は積 極的に性交渉をもってください」と お願いすることも。

  特に夢さんのように周期がバラバラ な方だと早めの時期から病院に来てい ただいて、経時的な変化を細やかに見 ていかないと卵胞が大きくなって排卵 するかどうかわかりません。一度診た だけでは予測は難しいので、通院回数 が増えてしまうかもしれませんが、患 者さん側もそのような心積もりで治療 に臨んでいただけるといいですね。
  1回だけ診て、「排卵しているのか わからないですね」で、その周期が 終わってしまったらもったいない。 治療費や手間をかけて病院に通って いる意味がないと思います。

④排卵日を意識しすぎず 週2、3回の性交渉を

排卵してから生理がくるまでの期間 は約 14 日間といわれています。実際に は 11 ~ 17 日くらいと人によって幅があ りますが、生理が順調であれば予定の 生理開始日から逆算して 17 ~ 11 日前ま での間にできるだけ多く性交渉を行う という対応もあるかと思います。
排卵日を意識しないで隔日、あるい は週に2、3回性交渉を行っていくの と、タイミングを意識して性交渉を 行っていくのと、どちらも妊娠率は変 わらないという説もあります。性交渉の機会がもともと多く、不 妊期間の短いご夫婦であれば、特に 排卵日を意識しないで性交渉をもっ ていただき、数カ月様子を見てもよ いかと思います。
夢さんのご夫婦のように毎日タイミ ングがとれないという場合は、週に2、 3回程度でよいのでは。無理して回数 を増やしたり、排卵日にピンポイント で義務のようにもとうとすると、今度 はそれがプレッシャーになって、ご夫 婦仲がうまくいかなくなってしまうこ ともあります。ある程度排卵日を意識 することは必要だと思いますが、ご夫 婦にとってストレスになりすぎないよ うにしていただきたいですね。

患者さんからも 積極的に意思表示を

治療の幅が広く、ご夫婦ごとに考え方が異なる不妊治療の場合、時に患者さん側と医師側で意識のズレが生じてしまうことがあります。

 今回紹介したケースでは、も しかしたら夢さんは排卵検査薬での判定を基本に考えていて、それを確認する形で受診しているのかも。医師側としたら「この患者さんは詳しく診てほしいと考えておらず、この程度の診察を希望されているかも」と思っているかもしれません。それが夢さんにとって、甘い診断をする先生という印象になってしまうことも。「ズレを埋めるためには、意思疎通を図ることが重要だと思います。まず、なぜ病院で診てもらっているのかという意味を考えて、疑問に感じたことやご希望をはっきり伝えていただきたいと思います」(秋山先生)

患者さんも病院にお任せではなく、「今日わからなかったら、次は何日目に来たらいいですか?」など積極的に意思表示を。ただ漫然と中途半端な状態で続けるのではなく、患者さん側も治療に参加しているという意識をもつことが必要です。

ドクターにはこう聞いてみよう!

医師の対応があいまいなのは 患者の意志が伝わってないから?
患者さんに積極性を感じないと医師は一歩引い てしまうことも。希望されていないようなら強 制はできませんから。「排卵日をちゃんと特定 したいんです」とはっきりご希望を伝えていた だければ、対応も変わってくるのでは。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。