Q 排卵後、子宮内膜が薄くなって いくことはありますか?
ドクターアドバイス
子宮内膜はどのような形で厚くなって いくのが理想的なのでしょうか。
大島先生 ある文献によると、子宮内膜は排卵前には1日約 0.5 ㎜のペースで厚く なり、排卵後は1日約 0.1 ㎜ずつ厚くなる ようです。また、着床期(排卵してから5~9日目)に8㎜から 10 ㎜をピークに13 ㎜までの厚さであるのが妊娠しやすく、 7㎜や 14 ㎜はぎりぎりのライン、6㎜以 下や 15 ㎜以上は厳しい。つまり、子宮内 膜は厚ければ厚いほどいいというわけではないんですね。
このようなことから考えると、かこさんの場合、排卵前に 14 ㎜だったのは少し 厚すぎるように思います。それなのに移植9日目に 10 ㎜というのはちょっと落差 が大きいような気がしますね。
画像で子宮内膜が黒っぽく見えたとい うことですが、これはどのようなことが考えられますか?。
このような場合、着床はうまくいかな いことが多いのでしょうか。
大島先生 どんな排卵誘発法だったのか記載がありませんが、今回は 11 個の卵子 が採れて、新鮮胚で移植されています。11 個採れたらホルモン値がかなり上がって、それが子宮内膜に影響してしまうことも。採卵が3個程度でホルモン値も低ければ新鮮胚で移植してもいいと思いますが、多く採れた場合は受精卵を凍結して、子宮の環境を整えてから移植したほうが妊娠率を上げることができるのではないでしょうか。
今、黄体ホルモン剤を処方されているようですね。これには子宮内膜を厚くする作用はありませんが、妊娠の継続には必要なので補充を続けられていいと思います。もう一つ追加されたお薬はエストロゲンでしょうか。エストロゲンには内膜を厚くする作用が期待できますが、移植9日目、採卵 12 日目で着床はすでに終 わっている時期なので、あまり意味はないかもしれません。
今回着床したかどうか、この時点では何ともいえませんが、もし結果が出なくても方法次第で妊娠する可能性は十分あるので、前向きに治療を続けていただきたいと思います。