Q 開通手術をした卵管が 1年後に詰まりました
ドクターアドバイス
詰まって卵管を通す手術をしたそうです が、 1 年後にまた詰まってしまったとか。
生田先生 どういった手術をしたか、また、 卵管がどのあたりで癒着していたのかにも よりますね。
ただ、卵管の真ん中あたりが詰まってい て、そこを切って繋ぐという手術は、おそ らくこの手術中にはできないので、もし何かをしたというのであれば、先端の卵管采が詰まっていて、そこを切って広げて穴を開けたということではないでしょうか。
そうなると、腹腔鏡でのマイクロサージェリー的な手術は可能ですが、よほど専門的なドクターが行ったとしても、うまくいって 30 %くらいまでの妊娠率しか出ない と思います。結局、また詰まってしまうということも多く、それ自体、珍しいことではありません。
それはクラミジア菌が死なずに残っている から、ということでしょうか?
生田先生 クラミジア菌が残っているかは証明できるものではありません。おそらく、クラミジア菌の抗体が陽性だったため、そのように言われたのでしょう。菌自体はそんなに長く残るものではありません。薬も念のためということではないでしょうか。
ただ、クラミジアに感染すると、片方の卵管だけに炎症を起こすわけではなく、子宮内膜など全体にダメージを残してしまうので、卵子が子宮の中まで到達できなかったり着床できなかったりして、運悪く子宮外妊娠を起こす頻度は高くなります。つまり、もともと片方の卵管で子宮外妊娠を起こした人は、残念ながら、もう片方でも起こす可能性は高くなってしまうのです。
下腹部の痛みや左側の痛みが増すというの は、どういうことでしょうか?
生田先生 左側の卵管が詰まっているのだとしたら、卵管に水が溜まって炎症が起きる卵管水腫になっている可能性があります。そうなるとお腹の痛みもなかなか引かないと思いますので、薬物治療を行って、改善しなければ、卵管を取るしかありません。
また、卵管水腫があって体外受精をしても、卵管に貯留している液体が子宮内に逆流して、子宮内の環境を悪化させてしまうために着床しづらく、妊娠率は悪いというデータがあります。
チビマロさんはまだ年齢的には若いですが、体外受精も選択肢に入っているのであれば、まずは検査を受けられて、卵管水腫があるのならば左卵管も早めに切除して体外受精に進んだほうが、結果的にはいいのではないかと思います。