最優先すべきは採卵?

2 人目不妊。 最優先すべきは採卵? それとも検査?

1人目は自然妊娠した、あるいは体外受精で も回数を重ねず妊娠できたのに、なぜか2人 目をスムーズに妊娠できない…そんな声は数 多く聞かれます。

40代の2人目不妊治療で は何を選択していくべきか、ノア・ウィメン ズクリニック 波多野久昭先生に伺いました。

波多野 久昭 先生 日本医科大学卒業。ハンブルク大学産婦人科学教室留学後、日本医科大学 婦人科学教室講師、飯田市立病院産婦人科科長を経て、2005年ノア・ウィ メンズクリニックを開院。開院して10 年、2015 年 10月からは電子カルテを 導入。クリニックでは先生念願のドクター2 人体制に。「これで患者さんの待ち 時間がかなり減りました。来年以降 2 人体制をさらに本格化していきます」。
かりんさん(会社員/40歳)からの相談 Q.37歳で初めて不妊治療病院へ行き、卵管癒着のため、体外受精をすすめられ、37歳で採 卵したところ、受精卵が5個でき凍結。1回生理を見送り38歳で移植。ありがたいことに1回 で成功し、38歳で無事男の子を出産しました。年齢も年齢なので息子が1歳になり不妊治療 を再開。凍結胚盤胞が4つ残っていたため移植するも陰性続き。1人は出産まで行けたので、 先生も卵子の染色体異常しか考えられないと言います。出産経験があるので着床障害ではな いと言われました。また、子宮鏡検査をしたわけではないですが、子宮も問題なさそうとの ことでした。そうこうしている間に40歳になってしまいましたが、治療は諦めずに続けるつ もりです。子宮鏡検査やERAはするべきですか? 何からしたらいいのでしょうか? 年齢的 にも少しでも早いうちに採卵したいという気持ちもあり焦っています。どれをするにしても年 齢的に着床前診断を受けたほうがいいのか迷っています。アドバイスをお願いします。

 40 歳という年齢では、何を優先すべき でしょうか?

波多野先生  2 人目不妊で悩まれて来院する 方はとてもよくいらっしゃいます。なかには、 着床はしていて妊娠検査薬で陽性反応は出た のに、エコーで確認できる前に流産してしま う「化学流産」を重ねる、というケースも珍 しくはありません。「着床障害では?」と悩 まれる方もいますが、お 1 人目を妊娠されて いる場合、着床障害の可能性は限りなく低く、 あくまでも受精卵の染色体異常により流産さ れてしまったのだと考えます。

また、「ほかにできる検査はありますか?」 というご質問も受けますが、 40 代に入った方 の場合、治療をゆっくりとはしていられない ので、最優先すべきはとにかく採卵。少しで も早く、そして多く採卵しておくことを優先 すべきだと思います。

子宮鏡検査をしていませんが、検査はす るべきですか?

波多野先生最初の妊娠で体外受精をしてい る場合、ひと通りの検査を受けているはずな のでほかに検査を受けるとしたら、万全を期 するために子宮内に筋腫やポリープ、または 癒着などがないかを検査する子宮鏡検査を受 けてもいいと思います。

あるいは子宮内膜が着床の準備のために適 切な状況になっているかどうかを調べる「子 宮内膜日付診」という検査もあります。高温 期の中間日くらいに子宮内膜の一部を採って 病理検査に出す、古くからある検査ですが、 正確に移植時期を決定できるものではありま せん。その代わりとして最近注目されている のがERA(子宮内膜受容体)検査。これも 子宮内膜の一部を採って、次世代シーケンサー を用いて子宮内膜の着床能に関する236個の遺伝子の発現レベルの解析を行うというも のです。

この検査によって、「着床の窓」(着床 するにあたり子宮内膜が最適の時期)を知る ことができます。正確性の高い検査ではあり ますが、今のところ検査をする機関が限られ ており、約 10 万円の負担がかかります。

治療は諦めずに続けるつもりですが、そ のほかにやれることはありますか?

波多野先生 それでもどうしても妊娠に至ら ない、流産を繰り返す、ということであれば 「不育症検査」を受けることをおすすめします。 「せっかく妊娠しているのに、また流産をして しまうのではないか…」という精神的な不安 やストレスから解放されたいという方もいる ので流産のリスクがあるのか、ないのかを検 査してみるのも方法の一つです。

あとできることとしては、ご主人の精液検 査。女性の妊娠率が年齢に伴い下がっていく ほどではないにせよ、男性の精子の運動率も 変化していくので並行して検査してみてもよ いでしょう。最後には着床前診断という方法 もありますが、こちらもすべての機関で行わ れているものではありません。

2 人目不妊において用意されている検査は いくつかありますが、時間制限のある 40 代の 治療においては、最優先事項を主治医と話し ながら進めてください。

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