NO IMAGE

胚盤胞2つ戻しの着床率と双胎の可能性について

Q 胚盤胞の2つ戻しを すすめられています

いぬさん(40歳)からの相談 Q.体外受精を2回実施済みで、次回の3回目は医師から凍結 融解胚を同時に2つ戻すか、または1つ戻した2日後にさら に追加で1つ戻すかをすすめられ、どちらの場合でもホルモ ン補充周期に行うといわれました。子宮ポリープ掻爬後に 行った2回目の移植に期待していたため、陰性のショックが 大きく、診察の際、医師の提案に対して十分な質問ができ ませんでした。2個戻しで双胎となる確率や、同時に2つ戻 すのと2段階で戻すのとで着床率や双胎となる確率に違いは あるのかを教えてください。2回目移植の際、エストラーナ テープⓇと腟座薬でホルモン補充をしていましたが、移植後、 座薬が出てしまったことが2回あり、これも着床しなかった 原因になるのでしょうか。 
グレードの良い胚盤胞で体外受精を2回実 施するも、妊娠に至らなかった原因は?
福井先生 原因は、はっきりはわかりません。
胚のグレードはあくまで見た目の形態の評価 であるので、本質(染色体など)の部分はわ からないこともあります。
40 歳の方であれば 本質的に着床しにくい胚の割合も増加するの で、移植回数が多くなるケースもあります。
2個同時に戻すということは、どちらかは 着床する見込みがあるからですか。
福井先生 そうですね、この場合なら私も 2個同時移植をおすすめします。
しかし、 2個ともが胚盤胞の二段階移植については 不詳です。
通常の二段階移植は、受精卵を 培養液の中で育て分割させた3日目の初期 胚を最初に移植し、その2日後に胚盤胞を 移植します。
ですが、今残っているのは胚 盤胞しかないので、二段階移植は選択肢で はないはずです。
もしかすると、主治医に は何か考えがあって、胚盤胞だけで二段階 移植をするという、変則的なことを試みよ うとしているのでしょうか。
胚盤胞のみの二段階移植をするという前提 で、考えられる理由はありますか。
福井先生 ホルモン補充で子宮内膜を着床 に向く環境に整えて5日目もしくは6日目 に移植しますが、ホルモン剤の効きがあま りよくなくて子宮内膜の準備が遅れている 場合もゼロではありません。
5日目なのに 3日目の状態でしかないため2日遅らせて もう1個を入れようという考え方もあるか もしれません。
ただし、なぜ2日後なのか の根拠がわからないですよね。1日後では だめなのか、とても興味深いので逆にこの 先生に聞いてみたいです。
多胎になる確率は年齢によって異なりま すが、厳選された胚盤胞を2個戻すわけで すから多胎率は高くなります。
いぬさんは40 歳なので、この年齢なら約 10 %。着床率 は2個同時移植も二段階移植もほとんど変 わりません。
妊娠に至らない原因と、今後の治療につい て、いぬさんにアドバイスをお願いします。
福井先生  40 歳で排卵誘発はショート法の選 択は悪くないですね。
腟座薬が出てしまった とのことですが、挿入から数時間が経過して いれば問題はないと思います。
ただし直後で あれば再度入れ直した方が良いと思います。
11 個採卵して8個も胚盤胞まで育ち、グレー ドも良い。
体外受精を始めて1年ですので、 まだチャンスはあると思いますし、そろそろ 結果が出そうな印象を受けます。
採卵するに しても次回もまたショート法でいいでしょ う。
それでもうまくいかなければ、チョコレー ト嚢腫の治療も選択肢に。
大きさの記述があ りませんし、関係ないという先生もいますが、 私はあまり良い印象をもっていません。
手術 は子宮の機能が落ちるので、当院では採卵と 同じ手技で患部を吸引し、一時的にサイズダ ウンさせるという方法を採用しています。
年齢的にこの1〜2年が勝負になるでしょ う。
今の治療方針をベースに2回、3回と体 外受精の回数を重ねてもいいと思いますし、 早め早めのトライを心がけてください。

ドクターアドバイス

●グレードの良い胚盤胞の2個同時移植は着床の可能性を高める
●この1、2年が勝負。今できることを早め早めにトライして
 
1989年、日本大学医学部卒業。卒業と同時に愛媛大学産科婦 人科に入局、愛媛大学大学院医学専攻科修了。2000年愛媛大 学産科婦人科学助教授。2001年、「高度な生殖医療をより身近 な医療として不妊カップルに提供したい」と、福井ウィメンズクリニッ クを開設する。福井先生が所属するバンドが発売したオリジナルCD 「月のなみだ」のミュージックビデオをYouTubeで公開中。「地元 のライブハウスで行った演奏シーンの撮影では、朝から夕方まで50 回は演奏しました。視聴回数1万回を目指しています!」

 

 

>全記事がドクター編集!

全記事がドクター編集!

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。