基礎体温がガタガタ

基礎体温がガタガタ になるのはどうして?

不妊治療をしている人の多くがつけている基礎体温。

きちんと測っているのにガタガタのグラフになってしまうのは なぜなのでしょうか。

基礎体温がきれいな二相にならない原因に ついて、厚仁病院の松山毅彦先生にお聞きしました。

松山 毅彦 先生東海大学医学部卒業。小田原市立病院産婦人科医長、東海大学付属大磯 病院産婦人科勤務、永遠幸レディースクリニック副院長を経て、1996 年厚 仁病院産婦人科を開設。日本生殖医学会生殖医療専門医。東海大医学部 同窓会の四国支部長を務める松山先生は、担当する講演会の準備をする傍ら 肝臓の専門医の講演など異分野の勉強にも積極的。専門外の勉強をすること で、専門の生殖医療についても考えが深まるそうです。

基礎体温がガタガタになる理由

●そもそも排卵していない 低温期から高温期の変わり目を排卵日の目安と していますが、逆を言えば排卵をしないと体温 が二相に分かれません。検査をして無排卵がわ かれば排卵誘発剤などを使うこともあります。
●起床前に動くと体温が上がる 決まった時間に寝ても、基礎体温を測定する前 に起きてみたり動いたりすると体温が上がり、 そのまま測定時の体温にも影響します。寝返り 一つでも体温に差が出ることがあります。
●就寝時の気温や環境の変化 外的環境の影響で体温は少しですが変動しま す。夏にクーラーをつけたまま寝ていると、 起床時の体温は低めになることもあり、冬の 暖房については、逆に体温が上がりぎみにな るかもしれません。

体温差が激しく 生理も遅れています

ゆいこさん(秘密・もうすぐ無職)前回生理までは、周期は前後しつつも一応低温・高温に分かれていて、「こんなもんだろう」と思ってました。ですが、今回の体温は 36 ・ 4 ℃から 36 ・ 8 ℃まで急激に上がったと思ったら 36 ・ 3 ℃まで下がり、また 37 ℃まで上がったり。測る時間も体調も睡眠時間も以前と変わりません。生理は遅れていて、いつもは 30〜 40 日の周期なのですが、今回は今日で 54 日目です。

A.環境により変動するので0.3 〜 0.5 ℃の差は気にせずに 

当院では、不妊治療に来られた方には、まず基礎体温を測っているかどうかを聞くこともありますが、あくまでそのグラフは目安。

基礎体温は就寝中にトイレに行くことでも上がりますし、エアコンをかけて寝ても変動してしまうので、ゆいこさんのような体温の大きな変動はめずらしくありません。

まず、ホルモンの検査などをしてから方針を考えます。

排卵していて、残念ながら妊娠が成立していなければ次の生理が起こるはずなので、ひょっとしたら今回は排卵が起きていないのかもしれませんし、あるいは排卵が起きて間もないのかもしれません。

ご心配ならば超音波検査やホルモン測定等を行ってみるのもよいかもしれません。

流産後の基礎体温が ガタガタです

わかさん( 31 歳・主婦) 10 月の中旬に稽 けいりゅう 留流産で子宮内容掻爬手術を受けました。その後基礎体温はガタガタです。早く次の妊娠にトライしたいのですが、先生に3回生理がきてから次の妊娠計画を立てるように言われています。術後から1カ月ほどで生理がくると言われていますが、高温期にならないと生理はきませんよね?
A.初期の場合は子宮の状態次第で 1回の生理後でも可能
流産された場合、通常は大事をとって3回生理がきてから次の妊娠計画を立てますが、私は、初期流産の場合は 1 回生理がきたらOKと考えています。
超音波検査をして子宮や卵巣の状態がよければ治療を再開してもいいと思います。
基礎体温がガタガタの人は、無排卵もしくは排卵が遅れている可能性が高いです。
超音波検査をして、排卵前なのか排卵後なのかを診てもらうといいでしょう。
気になる場合は早めに主治医に相談してみてもよいでしょう。
3 回生理がくるまで病院に行ってはいけないということではないのですから。

デュファストンⓇと 基礎体温の関係について

メロンパン( 29 歳・?)多嚢胞卵巣でクロミッドⓇとHCG注射で治療をしています。無排卵の時もたびたびあって基礎体温も上がらないので、黄体機能がうまくないねと先生がデュファストンⓇを出してくださいましたが、ガタガタな基礎体温です。デュファストンⓇには基礎体温を上げる効果がないのは知っていましたが、黄体機能がうまく働いていないのでしょうか? 副作用についても教えて下さるとありがたいです。
A.一般的に使用されている 黄体ホルモン製剤です
黄体ホルモン製剤はとても奥が深い薬です。
一般的には経口薬、注射薬が知られていますが、ほとんどの薬剤は投与しても血液中の黄体ホルモン値は上昇しません。
デュファストンⓇは、昔から使用されてきた黄体ホルモン製剤の一つです。
黄体ホルモン剤のなかには基礎体温を上げるものと上げないものがありますが、デュファストンⓇは基礎体温を上げない薬でもあります。
重大な副作用については、私としては今まであまり聞いたことがありません。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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