40代の治療の特徴

30代と40代では治療内容やス テップアップのタイミング、妊娠率など、さまざまな違いがあるは ず。

年齢が高くなってからの不妊 治療にはどんな特徴があるのか、 また具体的にどんな治療が有効な のでしょうか?

操レディスホス ピタルの操先生に伺いました。

 

操 良 先生 岐阜大学医学部卒業。岐阜大学附属病院で8年間、不妊専門外来を 担当し、1992年には岐阜県下初の体外受精に成功。女性ホルモンに 関する研究成果が認められ、平成9年度に岐阜県医学研究奨励賞を、 平成11年に日本内分泌学会で研究奨励賞を受賞。現在、操レディスホ スピタル院長。40代の方に知ってほしいのは「妊娠には適齢期があること」 と先生。同時に「国が本気で少子化対策を行うなら、そのための啓蒙や 働く女性の社会保障をもっと本気で整えるべき」ともお話しいただきました。

ドクターアドバイス

高齢になるほどARTが 絶対的な治療にはなり ません。

逆にステップダ ウンすることで結果が 出ることもあります

 

40代の患者さんの 特徴や傾向は?

やはり、年齢が高くなるほど、子宮筋腫子宮内膜症など婦人科合併症による妊孕性の低下は否めま せん。

また、高血圧や耐糖能異常な ど内科的疾患の合併が増加する傾 向もあります。

それによって採卵時 の麻酔などのリスクや、不妊そのも のよりも妊娠した場合の産科合併 症のようなリスクも上昇します。

妊娠率はどれくらい? 治療のスピードは 早めたほうがいい?

日本産科婦人科学会のデータで は、 35 歳あたりから妊娠率は下がり はじめ、逆に流産率が上昇します。

胎児の先天異常率の上昇も高齢症 例に多いのが特徴です。

当院のデータでも、 30 代と比較し て、 40 歳以上では妊娠率の低下は顕 著です。

受精率、胚盤胞到達率も同 様に、年齢が上がるとともに明らか に悪くなります。

学会のデータでも 移植あたりの生産率は 44 歳くらい になると1%程度。

100回治療し て 1 回程度という厳しいケースも あり得るということです。

また、いつまでも同じ治療を続け ることは、やはり近道にならないと 思います。

スクリーニングはできる だけ時間のロスなく、後回しにせずにすべて行い、ステップアップも 2 ~ 3 周期で早めに進めることをお すすめします。

治療方法は具体的に どんな違いがあるの?

一概にはいえませんが、高齢にな るほど卵巣機能が低下している方 が多いため、卵巣刺激をする場合は、 卵巣に負担がかからないようマイ ルドな低刺激が主になりますね。

通 常の不妊治療であれば、シクロフェ ニルをメインに使用したり、クロミフェンを使用する場合でも通常 量の半量の 25mg に落として刺激しま す。

採卵周期は、クロミフェンもしくはレトロゾール、シクロフェニ ルといった低刺激法で行い、それ でも難しい場合は完全自然周期法 となります。

採卵して卵子が得られた場合も、 できるだけ卵子のストレスを軽減 することが大切です。

つまり、長 期培養や凍結を避け、戻せる状態 であれば初期胚での新鮮胚移植も 選択のひとつになります。

また、体外受精を視野に入れて 治療に臨む方も多いと思いますが、 むしろステップダウンすることで 結果が得られる場合もあります。

当院で出産まで至った最高年齢は44 歳、現在妊娠中の 47 歳という方 もいますが、この方々も最初は低 刺激で始め、分割停止などでなか なか結果が出ず、最終的には完全 な自然周期で妊娠に至っています。

40 歳を過ぎたら生産率は低いこ とを認識し、ご自分の卵巣予備能 を把握して治療の選択を行うこと が大切だと思います。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。