俵先生に 聞きました!

妊娠にまつわるウソ!ホント?アノ話

「○○したら妊娠できた」「○○はNG!」といった 妊娠にまつわる噂や俗説……。

ウソなのか、ホント なのか、俵IVFクリニックの俵史子先生に医師の立 場から解説していただきます。

俵 史子 先生 浜松医科大学医学部卒業。総合病院勤務医時代より不妊 治療に携わり、2004年愛知県の竹内病院トヨタ不妊セ ンター所長に就任。2007 年、 出身地の静岡に俵 IVF ク リニックを開業。 昨年静岡駅前に移転し、リニューアル オープン。体質改善外来や漢方外来、鍼治療など妊娠力 向上を目指した指導も積極的に行っている。ジムでの筋 トレやヨガなど運動だけで減量&シェイプアップを目指 しているという俵先生。誘惑の多いお正月も、朝ヨガや トレーニングを欠かさず行っていたそうです。

セックス後に腰を上げる と妊娠しやすい?

れいちんさん・ 38 歳 Q.私は仲よしした後、数分間両足を上に上げています。腰の下あたりに枕を入れてなるべく動かないようにしているのは、妊娠にとっていいことだと思います。知り合いの奥さまは、仲良しの後、逆立ちをして結果が出ました
A.あまりこだわりすぎないで。
看護師さんのなかにも「腰の下に枕を入れて 10 分」な ど、夫婦生活の後に腰を上げると妊娠しやすいという教育を受けた人もいるようです。
しかしそれは経験上の言い伝えというレベルのもので、医学的な根拠は報告されていません。
また、子宮の向きで前屈、後屈というのを聞いたことがあると思いますが、その向きで精液がたまる位置が多少変わってくると思うので、たとえば「後屈(子宮が背中側に曲がっている)の場合は、うつ伏せになったほうがたまりやすい」というのは、解剖学的に考えれば理にかなっていると思います。
しかし、精液中の精子のみが浮上することを考えれば、それも妊娠しやすさとはあまり関係がないといえるのではないでしょうか。
夫婦生活後の数分間の体位というより、重要なのは腟の奥にうまく射精されているかどうかだと思いますね。
射精する瞬間に抜きかけみたいになると、精液が子宮のほうへ十分に届かない可能性があります。
特に精液検査で精液の量が少ないと指摘されたご主人は、なるべく奥に挿入して、子宮の入り口に近い所で射精するように頑張っていただくことが必要だと思います。

男性の精子は ためたほうがいい?

はなさん Q.排卵日前は、最低4日は禁欲するほうが妊娠しやすい精 子が出る」と聞いたので、いつも通り、主人は禁欲してか ら臨みました。禁欲期間をきちんととった=妊娠しやすい、 というのは本当なのでしょうか?
A.1週間に2〜3回射精する程度のペースが理想。
 確かに昔は、医師の間でも「なるべく禁欲したほうがいい」 という説がありました。
しかし、最近では当院でも禁欲はおす すめしていませんね。
毎日臨めるご夫婦はそれでも構いません が、だいたい1日おき、長くても禁欲期間は3~4日程度。
1 週間に2回くらいは射精するペースをおすすめしています。
毎日精液を出していると数や濃度は少し低下するようです が、出していない期間が長いと精子の形態的な異常が増えてい くので、受精能力の高い精子の割合を考えた場合、禁欲期間は 短いほうがいいというのが最近の認識です。
出して、つくって ということを繰り返していれば精巣もきちんと働くので、造精 機能低下の予防にもつながるかもしれません。
さまざまな論文を調べても、禁欲期間が3日以下だと精子の 状態が良く、妊娠率も高い。逆 に10日を超えるとぐっと 悪くなるようです。
ただし、これらの データに縛られす ぎるのも良くない と思います。
あ くまでもご主人 の気持ちが一番 と考え、ストレ スのない範囲で 夫婦生活をもって いただきたいと思 います。

春、夏が妊娠しやすいって 本当ですか?

蘭丸さん(38歳)Q.春は妊娠しやすい? 春って妊娠期だと思いますか?周りには なぜか春に妊娠した友人や知人が多いのです
A.日本人の妊娠成立は秋が多いという報告も。
動物と違って人間には繁殖期がないので、1年中妊娠すること ができます。
妊娠しやすいかどうかとはちょっと違うと思います が、厚生労働省による過去50年の日本の月別出生数の統計を見る と、7月、8月にお産が多いとされています。
そこから考えると 妊娠が成立するのはだいたい秋くらいということになりますね。
なぜ秋が多いのか調べてみると、男性側の問題が関係してい る可能性があり、秋口は比較的、量や運動率、正常形態率など、 精液の所見がいいという報告があります。
精子の濃度は冬から 春にかけて、運動精子数は夏から秋にかけて上昇。
最も重要な 高速運動精子は秋から冬にかけてピークを迎えるとか。それが 妊娠率の上昇につながっていると考えられなくもありません。
日照時間や日光の強度など、季節的な環境が関係しているので はないかといわれていますが、まだはっきり解明されていない ようです。
このように自然妊娠に関しては多少の傾向があるのかもしれ ませんが、高度生殖医療においては妊娠率と季節の関連性を実 感したことはありません。
精子の状態についても、季節だけではなく、個人を取り巻く環 境や条件によっ て変わってくる と思うので、私個 人の考えとして は、心身ともにご 夫婦の体調がい い時に夫婦生活 をもたれたり、治 療に臨んでいた だくのが一番い いのではないか と思います。

俵先生より

妊娠については「これ1つをやっておけば絶対大丈夫」というものはありません。
今 できる小さなことを積み重ねていって、それがいい条件になった時に妊娠の最大の可能 性を期待できるのかなと思います。
今回のご質問の内容のようなこともその積み重ねの1つになるかもしれません。
医学 的な根拠はなくてもご本人が納得するなら続けてもいいと思います。
きちんとしたデータ があるものは傾向としてその知識を頭に入れつつも、縛られすぎず、思いやりを大切に して、ストレスなくご夫婦ともベストな状態で子づくりにトライしていただきたいですね。

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