プロラクチン値が高めですが普通に排卵しています。クロミッドⓇ処方の理由は?

松山 毅彦 先生 東海大学医学部卒業。小田原市立病院産婦人科医長、 東海大学付属大磯病院産婦人科勤務、永遠幸レディース クリニック副院長を経て、1996年厚仁病院産婦人科を 開設。日本生殖医学会生殖医療専門医。おひつじ座の A型。最近、スマートフォンを使い始めたという松山先生。 これまでは帰宅後に行っていたメールなどのパソコン業務 を、日中のちょっとした合間に処理できるようになったそ う。「効率が格段にアップしました」。
ぶるーさん(39歳) Q.人工授精を考え、不妊治療を始めて1年になります。検査の結果、プロ ラクチンの値が少し高いとのことで、生理 2日目と9日目にカバサールⓇ を処方されました。排卵は普通にしているようです。しかし、生理5日目 からクロミッドⓇを1日1錠飲むように言われました。「まだ子宮卵管造影 検査をしていない段階で、排卵もしているのに?」と思い調べてみると、 クロミッドⓇには副作用もあるようなので、できればまだ飲みたくありません。 次に生理がきたら子宮卵管造影検査をすることになっていますが、やはり 5日目から飲まないといけないのでしょうか。なぜ処方されたのかわかりま せん。

大きさだけで、質は分からない

副作用を含め、ぶるーさんはクロミッドⓇによる排卵誘発をためらっているようです。自然排卵していても排卵誘発剤は必要ですか?
松山先生 昔から言われていることなのですが、クロミッドⓇは排卵誘発効果が高い一方で、妊娠率はあまり高くはないようです。
その理由は、子宮内膜が薄くなりやすいこと、LHサージを抑える傾向があり、卵胞が大きくなってから排卵することなどが挙げられます。
卵胞が直径2㎝くらいになったらHCG注射などで排卵させるケースもあるのですが、卵胞が大きいから質のいい卵子が採れないということはないし、逆に大きいと自然排卵することも多い。
そこまで待てば薄くなっていた内膜も改善していますので、焦らなくてもいいかと思います。
精子の検査データを見ると、運動率が低いようですね。
運動率だけで断定はできませんが、男性側への対策が立てられない、または立てていないとすると、女性側でその要素を補う必要があります。
そういった理由で、排卵している人にあえて排卵誘発剤を使う方法もあるんですよ。

クロミッドは使い方が難しい

そうすると、人工授精以外の方法も考えられますか?
松山先生 今の段階では何とも言えませんが、ただ、ぶるーさんの場合は、精子の直進運動率は正常となっています。
運動率は確かに低いけれど、精液所見としては悪くはないデータだと思います。
きちんと調整していけば、人工授精で十分可能性があるのではないでしょうか。
そこから先の対策については、クロミッドⓇの使用を含めて、やはり施設の考え方によりますね。
要するに、排卵周期にメリハリが付けられるかどうか、ホルモン測定がきちんとできるかどうかです。
卵胞の直径とそれに見合うホルモンデータがあって初めて、排卵日が推定できます。
そのあたりの〝読み〞が大切かなと思います。
クロミッドⓇは古くからある薬ですが、私も実は使い方が非常に難しいと感じています。

メリハリの利いた排卵を目指す

クロミッドⓇの使用はコントロールが大切なのですね。松山先生であれば、どのような意図で処方されますか?
松山先生 私個人としては、あまり卵巣に負担をかけない自然排卵をおすすめしているので、最初は排卵誘発剤を使わずにナチュラルでと考えます。
ただし、年齢が上がってくれば卵巣機能も落ちてきますし、うまく排卵していても高温期の黄体ホルモンが低いこともあります。
このように高温期が不安定な人の場合は、排卵誘発をして高温期を管理したほうがいいかもしれません。
メリハリの付いたよい排卵をさせることで、高温期の安定化まで図ると考えれば、クロミッドⓇの使用はありだと思います。
よりよい卵子を排卵することが大切ですからね。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。