卵胞が多数育つのに採れる卵子の数が少ないのはなぜ?

伊藤 哲 先生 順天堂大学医学部、同大学院修 了。順天堂大学医学部産婦人科 学講師、国際親善総合病院産婦 人科医長を経て、1999 年あいウ イメンズクリニック開院。日本生 殖医学会生殖医療専門医。O 型・ おひつじ座。同クリニックでの採 卵は、1個の採卵でもすべて麻酔 をして実施。患者さんの気持ちを 第一に考え、「負担が減らせるとこ ろはできるだけ減らしていく」とい うのが伊藤先生の考え。
ももさん(30歳)Q.今年に入り、2回の採卵をしています。1月は低刺激法(最後にスプレキュ アⓇを短期間使用)の末、卵胞は10~15個あったようですが、3個の成 熟卵、1個の未成熟卵しか採れませんでした。うち2 個が受精し、1個を 分割新鮮胚、1個を凍結胚盤胞で移植しましたが、化学流産と陰性という 結果に。2回目の6月も前回と同じ低刺激法(最後はHCG注射に切り替え) でトライ。採卵の結果はやはり成熟卵が3個。うち1個は受精せず、1個 は変性、残りの1個は胚盤胞で凍結すべく培養中です。先生からは「原因 不明だが、刺激法に挑戦するのも1つの方法かも」と言われました。回収 率が悪いのはなぜ? 私の体調のせいなのでしょうか?

適切な採卵数

低刺激法で排卵誘発をして、卵子の数があまり採れなかったということですが。
伊藤先生 ももさんは現在 30 歳とのこと。
年齢的にはまだ若いので、当院だったら、まずロング法で刺激をして試してみると思いますね。
そうすればもう少し卵子が採れる可能性があるのではないでしょうか。
若くてもAMHの値が低い方には低刺激法を選択する場合もありますが、ももさんは卵胞の数は多いようですから、AMH値はそれほど低くないように思われます。
過剰にできてもよくありませんが、やはりある程度刺激をして、卵子の数を多めに採ったほうが妊娠率は上がるのではないかと思います。
数があれば、そこからいいものを選ぶことができますし、余ったものを凍結しておけば移植のチャンスも増えます。
3個以下しか採れないのと4個以上採れるのでは、妊娠率にかなり差が出てしまうんですね。
最も好ましいのは7〜8個といわれていますから、できれば4〜 10 個を目標に排卵誘発法を考えていくことが必要なのではないでしょうか。

胚盤胞到達率と妊娠率

2回目の採卵では3個採れたうち、1個は受精せず、1個は変性という結果から、卵子の質的なことも気にされているようです。
伊藤先生 確かにあまりよくない状態だったようですが、卵子の質がどうかということも、排卵誘発の方法を変えることで、ある程度わかってくると思います。
この段階では担当の先生がおっしゃるように、卵子の数が採れない理由や本当の卵子の状態はわからないのではないでしょうか。
2回同じ方法で誘発していますから、やはり次回は変えてみることをおすすめします。
当院でしたらロング法になるかと思いますが、ほかにショート法やアンタゴニスト法という選択もあります。
いろいろな誘発法を試しても結果が変わらないようなら、卵子の質に問題があるということになってくるかもしれませんが、ももさんの場合、数は少ない中でも胚盤胞まで育っているものもあるので、決して妊娠できないことはないと思います。
本当に卵子の質が悪ければ、胚盤胞までの到達率がもっと低いはずですから。
高度不妊治療にも積極的に臨んでいらして、年齢的にもまだ余裕があります。
先生も違う誘発法をご提案されていますから、もし今回結果が出ないようなら、よく相談されて、前向きに次の治療に進んでいただきたいですね。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。