体外受精の間隔はどのくらい空けたほうがいいのでしょうか?

 

つーさん(31歳)Q.現在アメリカで治療中。2010年に日本で体外受精をし、6個の胚盤胞をすべ て凍結。その後アメリカへ転勤になり、新たに体外受精や凍結胚移植を何度か しましたが妊娠しません。PCOSの症状があり自然排卵していないので、1カ月 前の体外受精では、生理初日~8日目までフォリスチムⓇを使い、5~10日目 までガニレリクスを追加。9日目の夜にリュープリンⓇを使って11日目に採卵。 2 個のうち1個受精し3日目に移植し、陰性でした。担当医に「次回は誘発法 を変えましょう、準備ができたらすぐにでも始められます」と言われました。日 本のウェブサイトを見ると2~3カ月卵巣を休めるのが一般的のようですが、す ぐに次の治療を始めて本当にいいのでしょうか?

排卵誘発後のお休み

次の体外受精はすぐに始めてもいいのでしょうか?
古井先生 私の個人的な意見としては、最低1周期は間隔を空けたほうがいいと思います。
前回の体外受精はアンタゴニスト法で行っていますが、HMGを注射して排卵誘発をした場合は、次の月経中も卵巣が腫れていることが多いので、1周期は待ったほうがいいと思います。
また、排卵誘発をした後は、卵巣も疲れますから、少し休ませたほうがいいでしょう。
当院では、1周期空けたうえで、プラノバールⓇなどのホルモン剤によって一旦、消退出血(人工的な生理)を起こしてから、再度、排卵誘発を行うようにしています。
当院の場合は、一般的に次の採卵までの間隔は2カ月です。

均一に育てる

消退出血を起こさせるのはなぜですか?
古井先生 卵巣の状態を整えるために行っているのですが、前胞状卵胞の大きさを均一にそろえることが一番の目的です。
前胞状卵胞の大きさがバラついていると、そのまま育っていってしまいます。
一定の大きさで同じように育ったほうが採卵数が増えるのです。

やれる方法はいくつもある

今後、先生ならどのような治療をされますか。
古井先生 アンタゴニスト法はロング法に比べると、確かにOHSSのリスクは少ないと言われていますが、私ならその前に、クロミッドⓇ+HMG法で、よりOHSSのリスクが少ない方法を選択すると思います。
その方法でいい胚盤胞ができれば凍結して、ホルモン補充周期で融解胚移植すれば、 31 歳という年齢でしたら、かなりの確率で妊娠できると思いますよ。
つーさんは元々、月経周期は長いけれど自然に月経は来ていたのですよね。
排卵誘発をしてから自然には来なくなったそうですが、そのような場合、待っていればいつかまた月経は自然に来ると思います。
しかし、いつ来るかわからないので排卵誘発をする。
このくり返しをしていたのだと思います。
つーさんのようにPCOSの場合は、OHSSにならないように排卵誘発をすれば、安全に妊娠はできると思います。
ただし、出産した後はきちんと月経周期を整えたほうがいいので、低用量ピルを服用したり、治療を受けたほうがい
いでしょう。
まだまだ十分期待できると思いますから、頑張ってください。
古井 憲司 先生 1986 年日本医科大学卒業。1年間の研修医を 経て、1987年名古屋大学産婦人科学教室入局。 名古屋大学産婦人科では文部教官を務める。さ らにその後、大垣市民病院産婦人科医長を経て、 1998 年クリニックママを開院。A 型・やぎ座。 現在、同院の広い敷地内に、自家農園を造成中。 季節に応じた無農薬野菜を栽培し、院内のレス トランで患者さんに提供していく予定だそう。楽 しみです!
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