子宮頸管のねじれが発覚。移植のためのチューブを通すことができますか?

吉田 仁秋 先生 獨協医科大学卒業。東北大学医学部産婦 人科学教室入局、不妊・体外受精チーム 研究室へ。米国マイアミ大学留学後、竹 田総合病院産婦人科部長、東北公済病院 医長を経て、吉田レディースクリニック開 設。昨年、商品・サービスの品質に関する グローバルスタンダード規格であるISOを 取得。JISART(日本生殖補助医療標準化 機構)の厳しい審査もクリアし、ますます 患者さんにとって信頼できる施設に。
キビだんごさん(34歳)Q.不妊検査をしていた産婦人科で人工授精に3 回トライした後、不妊治療を専 門とする病院に転院。夫の精子運動率があまりよくないため、そこでも人工 授精を2回実施。それでも結果が出ないので体外受精にステップアップして、 移植まで滞りなく進みました。ところがそこで問題が発覚。子宮頸管が V 字 のように立体的にねじれていると言われたんです。ラミナリアという器具で頸 管を広げて、移植するためのチューブが通るようにしてみるそうですが、もし この方法でねじれが緩くならない場合は、ほかにどのような方法があるでしょ うか。ほかに方法がない場合は諦めるしかないのでしょうか?

子宮頸管のねじれ??

子宮頸管がねじれているということですが、これは病的なことが原因で起こるのでしょうか。
吉田先生 ねじれというと腸捻転のように大変なことだと思われるかもしれませんが、これは正しくは屈曲が強い状態だと表現したほうがいいかもしれません。
そもそも子宮は体に対してまっすぐ位置しているわけではなく、前屈や後屈といわれるように前や後ろに傾いています。
この屈曲が強い場合は、子宮頸管も曲がったような状態になることがあるんです。
病的なものではなく、個性のようなものだと思っていただくといいのではないでしょうか。
曲がっていることが妊娠に悪影響を及ぼすことはありますか。
吉田先生 ほとんどないといっていいと思います。
極端に曲がっていたとしても、頸管の中がきちんと通っていれば問題ありません。
妊娠するためには頸管の形状よりも中の通りのほうが重要で、詰まっているかどうかは子宮卵管造影検査で調べることができます。

子宮頸管を拡張させる方法

ただし、体外受精の移植の際は多少の措置が必要なようですね。
吉田先生 子宮頸管が傾いていたり、曲がっていると、子宮内に受精卵を戻すETチューブが入りにくい場合があります。
そこで、キビだんごさんも使われるようですが、子宮頸管内を拡張させるためにラミナリアという器具を使用します。
どのようなものですか?
吉田先生 子宮の入り口にマッチ棒くらいの太さの器具を入れるのですが、頸管内は水分を含んでいるので、それが水分によって膨張してボールペンくらいの太さになります。
1本、状態によっては2本、一晩程度入れておくと、頸管の内部が広がってチューブが入りやすくなるんですね。
ETチューブは直径2㎜程度の大変細い管なので、ほとんどの方はこの方法でチューブを通すことができるのではないかと思います。

拡張する手術もある

ほかにも方法はありますか。
吉田先生 同様に拡張していく機器としてヘガールというものもあります。
これは子宮の入り口を徐々に広げていく拡張器で、掻爬手術などでも使われています。
どうしてもチューブが入らない場合は、移植の前の周期にヘガールで拡張する手術をすることもあります。
手術といっても麻酔を施すので痛みはなく、外来で受けることができるものです。
このように、対処法はきちんとあるので、あまり心配されず、先生を信頼して移植に臨んでいただきたいですね。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。