卵胞が小さくても、成熟していたり、 ほかの条件がそろっていれば採卵しても大丈夫? 臼井医院不妊治療センターの臼井先生にお聞きしました。
卵胞の大きさと成長
周期 16 日で卵胞の大きさが 13 ㎜、ということですが、この状態で3日後に採卵すると卵胞はまだ十分に成長していないでしょうか?
臼井先生 LHの値が9・5ということなので、現段階ではまだLHサージが来ていないということですね。卵胞の大きさに関しては、3日後の採卵時に何㎜になったかが問題ですよね。
採卵までの流れ
臼井先生のクリニックの場合は、採卵までどのような流れですか?
卵胞の育ち方をみて、次は注射だけにするか、診察だけにするか、注射を1回入れてあとは診察にするか……など、患者さんの状況によって柔軟に対応しています。
そして卵胞が成長してきたら、1個あた りのE2値をみて、1個が250〜300程度になっていれば成熟していると判断します。LH値が上がっていなければ、その夜に ※スプレキュアⓇや ※イトレリンⓇなどの点鼻薬を使い、2日後に採卵というスケジュールになりますね。
※スプレキュア®:卵胞刺激ホルモンの分泌を抑える目的のGnRHアゴ ニスト製剤。 ※イトレリン®:一般名はブセレリン酢酸塩。黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、性ホルモンの分泌を促進する薬剤。
採卵における、卵胞の大きさ
採卵を決める卵胞の大きさはどの程度を目安にしていますか?
臼井先生 当院では 18 ㎜くらいでLHサージを起こすように切り替えています。 18 ㎜だったら、2日後の採卵時には 20 ㎜程度に成長しているということですからね。
他の施設でもだいたい 18 ㎜が切り替えの目安となっているのですか。
臼井先生 18 ㎜前後を基準にしているクリニックが多いのではないでしょうか。ただ、 18 ㎜で切り替えなければ妊娠しないということではありません。
どの時点だったらいい卵が採れるかというのは、卵胞径だけではなく、ホルモン値も参考にしながら総合的にみて判断することが大切だと思います。