卵管が詰まっていたらいきなり体外受精?【医師監修】

 

監修 俵IVFクリニック 俵 史子先生 浜松医科大学医学部卒業。同大学産婦人科勤務医を経て、2004 年愛知県の竹内病院トヨタ不妊センター所長に就任。2007年、 出 身地の静岡に俵史子IVFクリニックを開業。「自分が患者の立場だっ たら……」という気持ちを常に忘れず、丁寧な診療を心がけている。 何事にも全力で向かう、しし座でいのしし年生まれのバイタリティあ ふれる先生!
たみおさん 専業主婦 28 歳 Q.不妊の4大原因の一つと言われている卵管閉塞。 両卵管とも詰まっていたら自然妊娠は絶望的!? 再検査も治療もなく、一度の診断で体外受精を すすめられてしまったら、 あなたはどう感じますか? 不妊専門医の立場なら当然なのでしょうか……。

卵管閉塞と自然妊娠

ジネラーの中で、一度の検査で両卵管閉塞⇒自然妊娠は無理、と診断された方がいるのですが、再検査ではなく、すぐに次のステップを考えたほうがいいのでしょうか?
俵先生 検査で診断されても、中には何人か通っているという例もあります。
例えば、卵管造影検査の痛みにより卵管が一時的に ※攣縮してしまい、閉塞という判断をされたり、実際は通っているのだけれど片方の通りがよすぎて、もう一方に造影剤が流れにくく詰まっているように見えたり……。
※攣縮(れんしゅく):自分の意思とは無関係に筋が収縮すること。
いろいろな場合があるので、納得がいかなければ、再検査を相談されてみてはどうでしょうか。

卵管閉塞への対処法

再検査でも閉塞と診断されたら、どのような治療法がありますか?
俵先生 閉塞している場所と状況によって治療法を選択します。例えば閉塞部が比較的子宮に近いところだったら FTカテーテルや、腹腔鏡による治療で、開通できる可能性があります。
※FTカテーテル:卵管鏡下卵管形成術用カテーテル。
逆に、内膜症やクラミジア感染による癒着が疑われる場合は、難しい。
先生がおっしゃるような説明なしに、いきなり体外受精をすすめられら、どんな人でもショックを受けると思うのですが……。

体外受精へステップアップの前に

俵先生 そうですね。説明がなければ不安になって当然です。私の場合、初診では特にゆっくり時間をとります。
診察室での説明の後、さらに看護師が 30 分以上お話をする。全部で1時間くらいかけて、不妊原因や卵管閉塞の治療法、不妊治療についてご説明し、理解を深めていただきます。
検査所見や年齢、不妊期間など総合的にみて、

体外受精を提案しなければならない場合もあります。  

そのときは治療や体外受精のメリットはもちろん、デメリットやリスクについてもきちんとお話します。強くすすめるのではなく、すべてを理解していただいた上で、最終的には患者さんに決めていただくという形をとっています。
本人が納得して前向きな気持ちで治療していかないと、結果が伴っていかないことが多いですから。
「えっ!」と戸惑いを感じたら、患者さんからもどんどん医師に質問してください。
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