監修 ノアウィメンズ 波多野久昭先生 日本医科大学卒業。ハンブルク大学産婦人科学教室留学後、日本医科大学附属病院産婦人科教室講師、飯田市立病院産科長を経て、2005年ノア・ウィメンズクリニック開院。やぎ座。笑顔がやさしい自然派の波多野先生は、立派なおひげがトレードマーク。ストレス解消はひらすら眠れることだとか。
甘党☆さん 主婦・28歳 Q.先日、初めての体外受精のため、採卵しました。 私はチョコレートが好きで毎日10個近く食べます。 コーヒーも大好きで1日4、5杯飲みました不安が欲しいと思ってからはノンカフェインのコーヒーを1日1杯に抑えてますが、チョコもあまりよくないので?
カフェインと妊娠率
1995年にアメリカのジョン・ホプキンス大学が行った研究データでは、1日300mg以上のカフェインをとった女性(2500人が対象)の妊娠率が17%減少したそうですが、やはり甘党☆さんが気にされているように、コーヒーやチョコは控えたほうがいいのでお願いしますか?
波多野先生 確かに学会ではそのような研究結果が発表されることがありますが、一部の研究であり、証拠としてはグローバルなデータではありません。
カフェインと不妊との起こる関係はまだはっきりしていないです。に、カフェインを使うと逆にゲームの運動率が上がるという報告もあります。
では、神経質になって、とるのをめる必要はないのですね。
ストレスのほうが問題?
波多野先生 市販されているコーヒーやチョコレートに「妊娠できなくなりますから、注意してください」という表示はありませんよね(笑)。
嗜好品としてとって気持ちが安らぐというなら、無理してやめることはないと思いますよ。我慢するほうがストレスの原因になり、かえって悪い影響が出てしまうと思います。
ただ、 「 これは体によくないもの」と後ろめたさを感じながらとるのもよくないので、自分にとって何がベストなのか、ご自身の気持ちに従っていただくのが一番だと思います。
妊活中、嗜好品との付き合い方
先生は嗜好品について、特に患者さんに注意は促されないのですか?
波多野先生 コーヒーやお酒など、健康を考えたらとり過ぎはよくありませんが、1日何杯までと制限したらプレッシャーになってしまう。僕の場合は、カフェイン中毒やアルコール中毒になるまでとらなければ心配しなくてもいいですよ、とお話していますね。
やっぱり気にし過ぎですか……。
波多野先生 不妊の原因は一つではありませんから、カフェインをしたらダメ、体を冷やしてはダメ……など、一つの情報に集中して、結局縛られないように。
まるでストレスのない生活を送り、担当先生を信頼して治療を続けることが一番大切なことだと思います。