【Q&A】胚盤胞はできるのに正常胚ゼロ~丸田先生【医師監修】

スンスンさん(43歳)

PGT-Aで通院治療中です。
クリニックの技術の違いなのか、転院前(保険適用の時)のクリニックより毎回採卵数も多く、受精率、胚盤胞到達率も高いです。
ただ、採卵4回で24個の胚盤胞をPGT-Aにだしていますが(まだ検査中のものもあり)全てC判定で一つも正常胚はなく、モザイク胚すら獲得できていません。
正常胚ができないのはどのような理由が考えられるのでしょうか?
このまま採卵を続けてももう私は正常胚を手に入れる事はできないのでしょうか?
また何か他に出来る事はありますか?

丸田先生に聞いてきました

まるたARTクリニック 丸田 英 先生
久留米大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院 産婦人科を経て、2012年3月より生殖医療専門。2020年3月、まるたARTクリニックを開業。初診から治療終了まで同じ医師が担当することにより、効率的で高い成功率が得られ、何より患者さまの安心へと繋がると考え、診療に臨んでいる。「どんな時も患者さま第一、患者さまご自身の一瞬一瞬を大切に」を目標に掲げ、不妊治療と仕事の両立に理解ある治療スケジュールを導入。また、PRP療法などの最新治療や無料託児所完備等、不妊治療の環境向上にも積極的に取り組んでいる。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

治療経過を拝見すると大変ご苦労されているとお察しします。

一般的に35~36歳から染色体異常率が上昇し、着床することや妊娠継続することが難しくなってきます。さらに43歳からは一段と正常な染色体をもつ胚を得ることは容易なことではありません。43歳ですと、採卵数は90-100個あれば妊娠し出産するといわれています。また胚盤胞ですと15-20個に1つが正常な染色体をもつ胚盤胞といわれています。
非常に厳しい数字ですが、逆に考えるとそれだけの数字に到達することができれば妊娠、出産できることになります。

頂いた内容からすると胚盤胞までは培養できているとのことですから、今後もチャンスはあると考えられます。

●PGT-Aで正常胚が得られない理由としては何が考えられますか?

年齢に伴う染色体異常の頻度の問題です。また、培養環境が影響することも稀ながらあると思います。

●採卵を繰り返し行うことで正常胚を得る可能性はありますか?

可能性はあると思います。

●モザイク胚すら得られない場合の次のステップは何ですか?

獲得卵子数を増やすことが重要です。

●胚盤胞到達率をさらに向上させる方法はありますか?

獲得卵子数を増やすことが重要です。

●他に改善できる点や試せる治療法があれば教えてください。

効率的に卵子を回収することを考えてください。当院では、ランダム刺激、ランダム採卵を取り入れています。月経周期にとらわれず卵子の回収を行えば効率的に卵子回収率ができます。
簡単ではありませんが妊娠できるチャンスはあると思います。現在の主治医によく相談して今できることを頑張ってください。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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