【Q&A】帝王切開瘢痕症候群の手術で内膜炎は治る?~高橋敬一先生【医師監修】

さらさん(25歳)

約3年前に帝王切開にて出産をしました。
その後、茶色おりものや不正出血があり、大学病院を受診後、帝王切開瘢痕症候群の診断と慢性子宮内膜炎(20視野中6個)の診断でした。
その後、帝王切開瘢痕症候群は手術済みです。

主治医は「この手術により慢性子宮内膜炎は治るので慢性子宮内膜炎の再検査は不要」の方針です。
この手術によって本当に治り、再検査は不要なのか懸念しています。

次はPGT-A正常胚を移植するので、できるだけ安心して移植に臨みたいです。
よろしくお願いいたします。

【医師監修】高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

3年前にお子様が誕生されているので良かったですね。
今回の件に関しては様々ご不安のことと思います。

帝王切開瘢痕症候群は着床率を低下させるのですが、手術をすでにおこなっているのでこれは解決済みと思います。ただし、慢性子宮内膜炎の判断はまだ明確ではなく、20視野中6個の炎症細胞は、当クリニックでは陰性(<20個)と判断しています。したがって、当院の基準では再検査は必要ない、と判断することになります。

一方、一般論として、慢性子宮内膜炎の「原因のひとつ」に帝王切開瘢痕症候群があるので、それが原因の慢性子宮内膜炎は手術で改善するはずです。ただし、慢性子宮内膜炎が帝王切開瘢痕症候群のみでおきていたとは断定できないので、手術したら100%治癒しているとも言えないのです。したがって再検査は不要とするのも断定はできないのですね。そのため、再検査をすることは理屈として成り立ちます。(ただし、当院のクリニックではもとから陰性の判断ですが)
もし少しでも確認の検査をするならば、術後の子宮鏡検査、子宮内フローラ、子宮内膜炎の再検査などがあり得ます。

体重がかなり少ないのですので、痩せないようにご注意ください。たんぱく質を取り、血流改善のために筋力アップもするほうが着床率の改善も期待できると思います。頑張ってくださいね。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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