【Q&A】検査か採卵か~丸田先生【医師監修】

だんめろさん(35歳)

35歳、タイミング法と人工授精をし、今年の1月から保険診療で体外受精にステップアップしました。
卵のグレードと結果は、1回目4BC陰性、2回目3ABは hcg17.9で陰性、3回目3BB陰性、4回目4AB陰性です。

採卵しても変性卵の確率が高く、常に胚盤胞になる卵は1つだけでした。

転院後は3つ胚盤胞ができたので胚盤胞は残り2個です。次回2個移植をしてダメだった場合に6回目移植時に採卵をするべきでしょうか。
または、先に着床不全のTRIO検査や子宮鏡の検査をしてから1つずつ移植すべきでしょうか。
先に検査が必要であれば検査ができる病院への転院を考えないといけないので、詳しく教えていただきたいです。

丸田先生に聞いてきました

まるたARTクリニック 丸田 英 先生
久留米大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院 産婦人科を経て、2012年3月より生殖医療専門。2020年3月、まるたARTクリニックを開業。初診から治療終了まで同じ医師が担当することにより、効率的で高い成功率が得られ、何より患者さまの安心へと繋がると考え、診療に臨んでいる。「どんな時も患者さま第一、患者さまご自身の一瞬一瞬を大切に」を目標に掲げ、不妊治療と仕事の両立に理解ある治療スケジュールを導入。また、PRP療法などの最新治療や無料託児所完備等、不妊治療の環境向上にも積極的に取り組んでいる。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●胚盤胞のグレードが妊娠に与える影響について教えてください。

胚盤胞のグレードが良いほど妊娠率は高くなります。AAなら着床率は50-60%、ABなら40-50%程度と見積もられます。

●変性卵の確率が高い場合の対策として、どのような方法がありますか?

変性卵の対処法は、①刺激法の変更、②採卵時の針の変更、③採卵時の吸引圧の変更、④トリガーの変更などを考慮します。

●次回の2個移植の成功率について、先生のご意見をお聞かせください。

2個移植に効果があるのは、移植の不成功が胚に問題があると推定できるときです。子宮内環境など胚以外の問題が考えられるときは2個移植の効果ありません。

●着床不全のTRIO検査や子宮鏡検査、どのタイミングで行うべきでしょうか?

これはクリニックにより方針や指針は違うと思いますが、当院では2回移植の不成功の場合、トリオ検査を考慮しています。2回の移植不成功時に検査してみると効率的に異常がみつかります

●検査が必要な場合、どのような病院を選ぶべきか、先生のアドバイスをお願いします。

採卵、移植に対して様々な選択肢を持つことが重要です。不成功の方法を繰り返すことはよいとは言えません。漫然と採卵と移植を繰り返すことは避けたいですね。患者さまにとって1回の不成功でも大きな負担と思います。不成功ならなぜ不成功なのか評価して次周期の方針を決めることが重要です。
これまでの経過を考慮しますと、慎重に今後の方針を決めたほうが良いと思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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