さささん(47歳)
先日主治医から「血液検査や内診から閉経に差し掛かっている」と半ば諦めるように言われました(他院で体外受精はこれまで3回着床しませんでした)。夫とも相談して、できる限り治療を進めたい意向を伝え、採卵の時期を待っている状況です。
特に薬を出される事はありませんでした。
主治医に聞くと「データが分からなくなるから出さない」との事でしたが、必要ないのでしょうか?
宇津宮先生に、お話しを聞いてきました。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
●閉経に差し掛かっている場合の治療法を教えてください。
高齢で卵巣機能が落ちているはずですので、希望すれば、サプリにDHEA追加を勧めます。ただし、DHEAは妊娠したらすぐやめること。
●「データが分からなくなる」という理由で薬が出されないことについて、先生のご意見をお聞かせください。
閉経が近いなら、積極的に女性ホルモンを投与すべきです。このような卵巣には、外からの女性ホルモン補充投与(カウフマン療法)で少しでも現在の状態を維持するためです。できれば1-2クールのカウフマン療法直後に最大限界量の排卵誘発剤とショート法を使って卵巣刺激すべきです。
今、何もせずに待っている時期ではありません。
ホルモン環境はその治療状況からいくらでも推測できます。それに自信がないのはホルモンのことがよくわかっていないからでしょう。
●今後の治療方針について、先生でしたらどのような提案をされますか?
この年齢なら、積極的に卵子を多数採取する方法(カウフマン療法、DHEA、ショート法など)を行って、できた胚は着床前診断PGT-Aを行うこと。PGT-Aは高価ですが、その結果は今後の方針を決めるのに非常に役に立ちます。
だらだらと採卵を繰り返すのではなく、最良、最高の治療をし、きちんとその結果を受け止めることです。今できることすべてを積極的に行って、その結果を見て今後の方針を考えること。あとで「あれをすればよかったのかも・・」など決して後悔するような点を残さないことと思います。
●最後に
夫婦で協力し合って治療に臨みましょう。日ごろは生活を楽しみ、夫婦ともに適度の運動(少し汗ばむくらいを1時間)を心がけ、二人でリラックスして過ごしましょう。女性側は上記のような治療法、サプリなどで体によい環境を作り、男性は採卵に向けてよい精子ができるように肉体的、精神的にストレスをためないように。
くれぐれもインターネットのいいかげんな情報に惑わされないようにしてください。