【Q&A】AMH良好でも移植4回不成功~丸田先生【医師監修】

わいやまさん(30歳)

お世話になります。
現在30歳で第二子を希望しており、他院に通院中で体外受精を行っています。(1人目は自然妊娠で2021年に出産しました)

抗生物質1週間ラクトバチルスサプリ1ヶ月服用しましたが、その後しばらく治療をお休みしていました。再開に向けて転院も視野に入れており、クリニック選びに悩んでいます。

【ご相談したいこと】
・30歳、AMH4.57(1年前)の私にとって、今後どのような治療方針が適切でしょうか?
・TORIO検査の結果を踏まえて、どのような治療戦略が考えられるでしょうか(薬や移植日程の調整など)
・保険回数が限られている中で後悔のない選択をしたく、転院する際のクリニック選びのポイントを知りたいです
・先進医療やビタミンDなどの血液検査、慢性子宮内膜炎など、追加でできる検査の必要性についても先生のお考えを伺えたら嬉しいです。

お忙しい中恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

丸田先生に聞いてきました

まるたARTクリニック 丸田 英 先生
久留米大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院 産婦人科を経て、2012年3月より生殖医療専門。2020年3月、まるたARTクリニックを開業。初診から治療終了まで同じ医師が担当することにより、効率的で高い成功率が得られ、何より患者さまの安心へと繋がると考え、診療に臨んでいる。「どんな時も患者さま第一、患者さまご自身の一瞬一瞬を大切に」を目標に掲げ、不妊治療と仕事の両立に理解ある治療スケジュールを導入。また、PRP療法などの最新治療や無料託児所完備等、不妊治療の環境向上にも積極的に取り組んでいる。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。


30歳の年齢で不妊期間、治療年数を考えますと非常に長い印象を受けます。
また移植回数も4回不成功とのことですが一般的に30歳でしたら移植2回以内に70-80%近く妊娠できることを考えますと問題が隠れているのでは、と心配になります。

●現在30歳のAMH値が4.57のわいやまさんに対して、今後の治療方針についで先生ならどのように考えられますか?

今後の採卵を始める前に、これまで妊娠が不成功の原因を評価します。このまま採卵して結果がでるのか。不成功の治療方針を繰り返すことはリスクがあります。

●TORIO検査の結果(ラクトバチルス: 30.23%、Streptococcus:57.01%、ERA:着床の窓のずれあり(需要期後))を踏まえて、治療戦略についてどのようなアプローチが考えられますか?

トリオ検査の結果から、これまでの移植のスケジュールが大きく外れているようでしたらこれまでの不成功も納得がいきます。4回の移植のスケジュールのERA検査の結果と比較してどうでしたでしょうか。またラクトバチルス30.23%、streptcoccus57.01%は子宮環境としてよいとは言えず、治療の適応と思います。
ラクトバチルス90.00%以上、streptcoccus00.00%を目指すべきです。再検査は行われたほうが良いです。

●先進医療やビタミン Dの血液検査、慢性子宮内膜炎に対する検査など、追加で行うべき検査の必要性について先生の見解をお聞かせください。

必要性は、高いです。先ほど述べましたが、治療経過が平均を下回っていますので必要性は高いと思います。

●保険回数が限られている中で後悔のないクリニック選びをするためのポイントについのアドバイスをお願いします。

不成功の周期から次は何を変えてチャレンジするのかが重要なポイントです。主治医が経過から新しい提案を考えているかどうかが重要です。
保険診療でほとんどの方は妊娠しますが、保険診療では妊娠できない方がいるのも事実です。保険診療と自費診療は、似て非なるものです(保険も自費も同じ診療をしているのなら自費診療を選ぶ価値はありません)。これまでの経過から最善の方法を提案できるクリニックを探されるとよいのではないでしょうか。

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