【Q&A】クロミッドで月経量は減る?~北村先生【医師監修】

チョコさん (36歳)
①今回採卵のためクロミッドを服用していました。採卵日からちょうど2週間で生理が来ましたが量がいつもに比べて少なく、3日で完全に終わってしまいました。異常でしょうか?
②今回で3回目の体外受精です。
今までの2回は5日目4bbの凍結胚を移植しましたが1回目は着床せず。2回目は着床はしたようだが数値が低く、そのまま生理が来てしまいました。
③今回は6日目の4bbです。前回の時に比べて、採卵も3つのうちの2つが変性卵。一つが胚盤胞になったが6日目4bb。卵子の質が下がっているように思いますが、どうしてでしょうか? 何か自分で出来る対策などあるのでしょうか?

北村 誠司 先生に聞いてみました。

【医師監修】明大前アートクリニック 北村 誠司 先生
1987年慶應義塾大学医学部卒業。2008年荻窪病院虹クリニックを開設。退職後、2018年明大前アートクリニックを開設。1989年からIVF及び内視鏡下手術に従事。子宮鏡下手術による胚移植の改善、腹腔鏡下手術による子宮筋腫、内膜症の解消、改善を積極的に図って来ました。体外受精での妊娠困難症例に対しても新しい治療法を取り入れています。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●チョコさんが最近服用したクロミッドの影響で月経の量が少なくなった可能性はありますか? また、そのような状態が続くと予想されますか?

クロミッドの影響で月経の量が少なくなった可能性があります。子宮内膜が薄くなることがあり、その影響で月経の量が少なくなることがあります。6ヵ月くらい続くという報告もあります。

●チョコさんの場合、 5日目4bbの凍結胚を移植した際に着床しなかったり、 hCG数値が低かった理由について、何か考えられる要因はありますか?

4BBの胚盤胞が着床しない、あるいは化学流産になる理由としては、受精卵の染色体異常や受精卵自体の異常がまず考えられます。奥さま自身の免疫異常で着床しない、育ちにくくなることも考えられます。あと、着床不全となる要素がある場合、子宮内の細菌叢が安定していないことや子宮内膜に強い炎症があることも原因になることが考えられます。

●今回6日目の4bbの胚盤胞を移植する際、前回の経験を踏まえて何か特別な注意点や対策は必要でしょうか?

スクラッチやシート法を併用することで着床/妊娠率を上げることが期待されます。

●チョコさんの卵子の質が下がっている可能性について、何か具体的な原因が考えられますか? また、卵子の質を向上させるために、チョコさん自身ができるライフスタイルの改善点やサプリメントの摂取など、具体的な対策はありますか?

それ程、受精卵のグレードが下がっているような印象は強くないと思います。徐々に卵子の質が低下している可能性も無いとは言えませんが、たまたま卵子の巡り会わせで、受精卵の状態に出ていると思います。チョコさんは、おそらく低刺激で排卵誘発を行っていると思われますので、中刺激か高刺激法で採卵を受けるとより良好胚な受精卵が出来るかもしれません。
ご自分での対策としては一般的なことですが、バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動とストレスを軽減することが有効と思われます。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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