ゆんさん (33歳)
今まで5日目胚盤胞(4BAと4AA)を2回移植し、陰性でした。どちらもホルモン補充開始から1週間後にエコーと血液検査をし、移植日を決定。それ以降は診察なしです。2回とも生理13 日目あたりに排卵痛とわずかなおりものあり。通常だと排卵時期のため、排卵検査薬を使ったら陽性になり3 日後陰性に。医師からは排卵については何も言われていません。これらをふまえ、次の治療までにやったほうがいい検査などがあれば教えてください。
今まで5日目胚盤胞(4BAと4AA)を2回移植し、陰性でした。どちらもホルモン補充開始から1週間後にエコーと血液検査をし、移植日を決定。それ以降は診察なしです。2回とも生理13 日目あたりに排卵痛とわずかなおりものあり。通常だと排卵時期のため、排卵検査薬を使ったら陽性になり3 日後陰性に。医師からは排卵については何も言われていません。これらをふまえ、次の治療までにやったほうがいい検査などがあれば教えてください。
神奈川レディースクリニックの小林先生に聞いてみました。
【医師監修】 神奈川レディースクリニック 小林 淳一 先生
慶應義塾大学医学部卒業。1984 年より習慣流産の研究と診療に携わり、1989 年より済生会神奈川県病院においてIVFを不妊症・不育症の診療に導入。その後、新横浜母と子の病院の不妊・不育・IVFセンター長に就任。2003 年、神奈川レディースクリニックを開院する。患者さまの個々のペースに合わせた無理のない医療を目指す。
慶應義塾大学医学部卒業。1984 年より習慣流産の研究と診療に携わり、1989 年より済生会神奈川県病院においてIVFを不妊症・不育症の診療に導入。その後、新横浜母と子の病院の不妊・不育・IVFセンター長に就任。2003 年、神奈川レディースクリニックを開院する。患者さまの個々のペースに合わせた無理のない医療を目指す。
目次
ゆんさんは排卵が起こった可能性はありますか。
小林先生●ゆんさんがおっしゃっている状況から考えると、排卵が起こっていた可能性はあると思います。生理周期が25~26日と短い場合、卵胞の成長を調整し、最終的に排卵を抑える役割のブセレリン(点鼻薬)を適切に使ったとしても、排卵してしまうケースがみられます。
相談内容によると「先生からは排卵について何も言われていない」とのことですが、排卵検査薬を使ってみたら陽性になったことを、一度先生に話してみるといいと思います。
相談内容によると「先生からは排卵について何も言われていない」とのことですが、排卵検査薬を使ってみたら陽性になったことを、一度先生に話してみるといいと思います。
ゆんさんのような方の場合、小林先生ならどの方法で移植しますか。
小林先生●当院の場合ですと、ゆんさんのような30代前半の若い方であれば、まず排卵させてから移植をする方法をとります。その方法で移植するほうが、ホルモン補充をして排卵なしで移植するよりも、出産後に起こりうるトラブルの一つである「癒着胎盤」を引き起こす可能性が低いといわれています。
さらに妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクも少ないというデータもあります。
さらに妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクも少ないというデータもあります。
自然に排卵を起こさせて移植をする場合の注意点はありますか。
小林先生●まずは、排卵なしの移植法に比べて通院回数が増えます。こまめに卵胞の育ち具合を確認する必要があるためです。さらに、卵胞の育ち具合によって排卵日が変わるため、移植日がなかなか決まらない=予定が立てづらいというデメリットがあります。
ホルモン周期(排卵なし)で移植する方法と自然に排卵させて移植する方法、どちらにもメリットとデメリットはあるので、主治医と相談してどちらがいいかを決めるのがいいでしょう。
ホルモン周期(排卵なし)で移植する方法と自然に排卵させて移植する方法、どちらにもメリットとデメリットはあるので、主治医と相談してどちらがいいかを決めるのがいいでしょう。
ゆんさんがやっておいたほうがいい検査はありますか。
小林先生●まずは、着床のタイミング(着床の窓)がズレていないかの検査をするのがいいでしょう。あわせて
子宮内が妊娠しやすい環境になっているかを調べる子宮内フローラ検査や子宮鏡検査もしておくといいと思いま
す。また卵管水腫といって卵管に液体が溜まって腫れるトラブルがあります。その溜まった液体が子宮内に流入すると、不妊の原因になるので調べておきましょう。貴重な受精卵と保険診療の回数を無駄にしないためにも、主治医によく相談し、一人で悩まずに疑問に思うことがあったら聞いてみてくださいね。
子宮内が妊娠しやすい環境になっているかを調べる子宮内フローラ検査や子宮鏡検査もしておくといいと思いま
す。また卵管水腫といって卵管に液体が溜まって腫れるトラブルがあります。その溜まった液体が子宮内に流入すると、不妊の原因になるので調べておきましょう。貴重な受精卵と保険診療の回数を無駄にしないためにも、主治医によく相談し、一人で悩まずに疑問に思うことがあったら聞いてみてくださいね。