すーさん （３４歳）
治療を始めて2 ～ 3 年。卵巣刺激法はウルトラショート法なので採卵数は多く、グレード3 ～ 4 ぐらいの良質の胚まで育ちます。ただ、良い胚を4 回移植しましたが、妊娠に至りません。4 回目の妊娠判定後、子宮鏡検査を2 回行い、ポリープを切除。子宮内膜炎があるため、現在抗生剤を使
用中です。不安を病院に伝えても激励の言葉しかなく、疑問です。転院も視野に入れて検討していますが、これで3回目となるので、悩んでいます。
治療を始めて2 ～ 3 年。卵巣刺激法はウルトラショート法なので採卵数は多く、グレード3 ～ 4 ぐらいの良質の胚まで育ちます。ただ、良い胚を4 回移植しましたが、妊娠に至りません。4 回目の妊娠判定後、子宮鏡検査を2 回行い、ポリープを切除。子宮内膜炎があるため、現在抗生剤を使
用中です。不安を病院に伝えても激励の言葉しかなく、疑問です。転院も視野に入れて検討していますが、これで3回目となるので、悩んでいます。
福田ウイメンズクリニックの福田先生に聞いてみました。
【医師監修】福田ウイメンズクリニック 福田 雄介 先生
東邦大学医学部卒業、東邦大学医学部大学院修了。医学博士（
東邦大学医学部卒業、東邦大学医学部大学院修了。医学博士（
目次
すーさんのようなケースの場合、どのような原因が考えられますか？
福田先生●現在わかっている妊娠に影響するものとしては、子宮内膜ポリープと子宮内膜炎があったとのことですので、この２つが影響していた可能性があります。ただ、ほかに原因がないとはいえません。保険での残りの胚移植回数が２回という点を考えると、胚移植前に「着床の窓」の検査をすすめます。子宮が胚を受け入れるタイミングを「着床の窓」と表現し、一般的に３日ほどはあるといわれていますが、中には１日しかない場合もあります。
そして「着床の窓」が本来の胚移植する日より前や後ろにズレていたりした場合は妊娠しにくいとされています。
胚の質が良い、また子宮にも問題がないのに胚移植を行っても妊娠しない人に「着床の窓」がズレていないか検査したところ、約３割にズレが見つかったという報告があります。また、ある大学のデータによれば、移植回数が多い場合（３回以上）、「着床の窓」がズレていた人の割合はさらに高かったということですから、子宮内膜ポリープと子宮内膜炎以外に「着床の窓」のズレも考慮しておいたほうがいいと思います。「着床の窓」の検査は先進医療として行われているので、保険診療と併用することが可能です。
そして「着床の窓」が本来の胚移植する日より前や後ろにズレていたりした場合は妊娠しにくいとされています。
胚の質が良い、また子宮にも問題がないのに胚移植を行っても妊娠しない人に「着床の窓」がズレていないか検査したところ、約３割にズレが見つかったという報告があります。また、ある大学のデータによれば、移植回数が多い場合（３回以上）、「着床の窓」がズレていた人の割合はさらに高かったということですから、子宮内膜ポリープと子宮内膜炎以外に「着床の窓」のズレも考慮しておいたほうがいいと思います。「着床の窓」の検査は先進医療として行われているので、保険診療と併用することが可能です。
卵巣刺激法をほかの方法に変えたほうがいいでしょうか。
福田先生●今までの刺激法で良好な胚が育っているならば、今のままでいいと思います。それよりも移植の方法を変えてみることは有効かもしれません。
基本的には自然周期もホルモン補充周期も効果は同じと考えていただいて構いませんが、相性というか、今まで自然周期で移植をしているなら、ホルモン補充周期に変えてみると、今までと違った結果が得られる可能性はあります。実際、当院でも移植方法を変えた後に妊娠に至ったケースがありました。
基本的には自然周期もホルモン補充周期も効果は同じと考えていただいて構いませんが、相性というか、今まで自然周期で移植をしているなら、ホルモン補充周期に変えてみると、今までと違った結果が得られる可能性はあります。実際、当院でも移植方法を変えた後に妊娠に至ったケースがありました。
すーさんは転院しようか迷っていますが、それが不安やストレスになっているようです…。
福田先生●ストレスが不妊治療にまったく影響がないとはいえません。もし今の病院に不安があり、環境的に転院できそうなところがあるなら、病院を変えて気分一新して治療を再スタートするのもいいでしょう。その場合、時間を無駄にしないために検査履歴を持っていってください。可能であれば今まで通っていた病院に紹介状を書いてもらうのがいいでしょう。
