【Q＆A】早発閉経後の不妊治療～浅田先生【医師監修】

浅田先生に聞いてきました。

【医師監修】浅田レディースクリニック　浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』（講談社）など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

できるだけ保険診療内で妊娠を目指したい、ということですが、早発閉経された方は残念ながら、一般的な排卵誘発剤の注射を使用しても卵子が育ちません。
閉経されているので、卵子が育つ環境にはありませんから、脳下垂体ホルモンの血中濃度を卵子が育つ状態にして、卵巣の中に残っている卵子を上手に成熟卵にして採っていく技術が必要になります。

卵巣の中の卵子は排卵の半年前から育ち、後半の３ヶ月はホルモンに依存して育つため、ホルモンの状態によっては卵子が育つことができず、途中で萎んでしまいます。そのため、早発閉経後の排卵誘発剤は上手に使用しないと、卵子は育つことができませんので注意が必要です。
早発閉経の方でも、30代までは卵子が採れることが多いので、あささんもまだ十分に妊娠の可能性はあると思います。

また、早発閉経後の体外受精の成功率については、受精卵ができた年齢相当の妊娠率となります。
ただ、一般の不妊治療施設では治療を断られてしまうか、やみくもに注射を打ったりホルモン療法をしたりして、結局、結果がでない、といったこともありますので、注意が必要です。

できる限り早く、確実に早発閉経後の治療ができる施設で治療されることをおすすめします。