【Q&A】45歳、妊娠率を上げたい~浅田先生【医師監修】

まりさん (45歳)
44歳のときに採卵して凍結した初期胚にて凍結融解胚移植をしています。
前回15細胞グレード1の胚を移植したが陰性。次回、初期胚2個移植予定です。あと残っている胚は8個で、ぜんぶ8細胞から12細胞のグレード3の胚です。
どうにか成功させたいですが、お腹の中で分割を成功させるには何か方法はありますか?
もう、ただ戻すしかないのでしょうか?

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

卵子の老化が進むと、受精率は変わりませんが胚盤胞到達率は低くなります。長期に体外で培養するというのは受精卵への負担となるので、卵子が多く採れない人、特に高齢の人においては無理に胚盤胞まで育てる必要はありません
3日目の受精卵や胚盤胞のグレードは、見た目の評価であり移植の順番を決める背番号をつける程度のものなので、結果の良し悪しについては全く予測できないのです。

自費診療で効率よく妊娠したいとお考えなら、胚盤胞にしてPGT-Aを行い、異数性胚を移植しないという方法が最もお勧めです。
45歳くらいになると、一人の赤ちゃんが生まれるために必要な卵子の数は平均で100個を超えます。カップルの遺伝子の組み合わせによって変わるため、どのカップルにおいても100個必要ということではありません。例え100個必要だったとしても、赤ちゃんまで育つ受精卵に最初に出会うかもしれません。そのためには、たくさんの受精卵が必要と考えてください。

現在レルミナで月経を止めている理由は私にはよくわかりません。
45歳は妊娠するのが難しい年齢になっていますので、確実に受精卵を作ることにこだわった施設で治療していただきたいと思います。

受精卵の分割を促進する治療方法や生活習慣の改善方法というものは、残念ながらありません。
自分の体では妊娠率を変えられないのです。例えば質問者さんの受精卵を他人に移植しても、年齢なりの妊娠率となることが、代理出産ですでにわかっています。子宮の側がコントロールしていることではないということです。子宮内の条件が非常に悪い、低酸素環境が守れないという特別な場合には、改善の余地があります。

最も確率の高い治療をしたいということでしたので、唯一有効なPGT-Aをお勧めします。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。