【Q&A】着床障害の検査を受けた方がいい?~福田雄介先生【医師監修】

ほのぼのさん (35歳)
主治医から「年齢が35歳になると受精卵の半分は染色体異常が多いから陰性続きになっても仕方ない」と言われました。
しかし流産、陰性が続いているので「着床障害や不育症検査をした方がいいのでは」と聞いたところ「出産して体質が変わるからその可能性はあるが、とりあえず次回はホルモン補充周期でやってみましょう」と言われ診察を終えました。
前回の移植で陰性だった時も「また採卵からスタートしましょう」で終わり。
3回連続陰性続きだった事もあり、自分から子宮内フローラ検査をお願いしたところ、ラクトバチスル0%がわかり「これでは妊娠しないよ」と言われた事があります。
もしあの時、自分から検査をお願いしていなければラクトバチスルが0%だと知らぬまま移植し続ける=妊娠しない
だったと思うと、今回も陰性でしたが無駄なIVFをし続けていたと感じます。

私的には不育症や着床障害の検査ができるクリニックにセカンドオピニオンに行ってみたいと思っております。
主治医から「こういう可能性があるから検査してみる?」というのがあまりなく、今回も4回連続陰性続きだった事について「35歳すぎると受精卵の異常が半分だから仕方ない」で終わってしまいました。
原因がそこだけではなく、不育症や着床障害も関係しているのではないかと思っています。不育症、着床障害の検査をする必要はあるでしょうか?

また、夫の精子があまり良くないのでいつも顕微一択ですが、今回の採卵前日、飲み会がありかなり酔って帰宅。次の日の朝精子を採ってもらったら、普段も量は少ない方ですが今まで見たことないくらい量が少なくかなり心配でした。
しかし精子の結果は特に特別悪くなく、むしろ前回の数値よりもよくなっておりました。
「精子は3か月前に作られた物が出るので前日の飲酒は関係ない」とネットで見たのですが本当にそうなのですか?
飲酒のせいで量が少なかったのは確かなので、採卵前日の飲酒は精子に影響すると思うのですがどうでしょうか。

福田ウイメンズクリニックの福田先生に聞いてみました。

【医師監修】福田ウイメンズクリニック 福田 雄介 先生
東邦大学医学部卒業、東邦大学医学部大学院修了。医学博士(東邦大学 平成22年)。米国ペンシルベニア大学生物学教室留学、東邦大学医学部産婦人科学教室講師などを経て福田ウイメンズクリニック副院長に就任。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
●検査治療歴を見てどのような印象をもたれましたか?
AMHがかなり下がっている印象です。無排卵だったため移植できなかったことなどから月経周期が乱れ始めている可能性があると思われます。

●陰性が続いていますが、着床不全や不育症の検査を受けるべきでしょうか?
まずは保険で検査が可能な子宮鏡、甲状腺機能や抗リン脂質抗体症候群の検査などを勧めます。

●年齢と染色体異常について教えてください。
一般的な35歳の胚盤胞の染色体正倍数性(正常)率は50%です。ただ、日本の研究で2回以上の流産や、着床不全を繰り返した方が行った着床前診断では染色体正倍数性(正常)率は30% 弱、胚移植が可能な胚の率は40%でした。

●前日の飲酒が精子の量や質に影響すると考えられますか?
深酒は射精障害の原因となります。うまく射精されなければ精液量は減り精子数も減る可能性があります。質に関して精子は1日で作られるわけではないためそれほど影響はないかも知れません。

今後の治療の進め方や向き合い方についてアドバイスをお願いします。

不育症の検査をして異常がない、または治療したとして、胚盤胞の染色体正倍数性(正常)率を考慮すると胚盤胞2個移植も検討します。ERA検査が自然周期で行っているので自然周期での移植が第一選択ですが、卵巣機能の低下も考えると自然周期でもある程度のサポート(黄体補充など)を勧めます。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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