2024年6月に初めて採卵を行い、15個採れたうち未成熟卵が3個。
体外受精5個→受精4個
顕微授精7個→受精6個
7日間培養継続するも分割停止し、胚盤胞到達0個で凍結0個。
受精卵について細かい説明がなく、素人目では4細胞期でフラグメントが目立つ胚が多数を占めていました。主治医からは「今回の結果の原因が分からず、連続して採卵しても結果は大きく変わらないと思う」とのことで、しばらくはお休み周期となり、8月後半より通院再開という方針になっています。
サプリメントの摂取状況を聞かれ「葉酸とビタミンB,D,Eを摂取している」と伝えたところ「充分なので今後も継続して摂取してください」とのことでした。またそれ以降に個人的にコエンザイムQ10を新たに摂取し始めました。
妻27歳、夫29歳のため年齢的な問題はあまりないと考えていたのですが、10個受精したものの全て分割停止し胚盤胞0との結果でした。一般的に行われている不妊治療に関する採血検査で異常を指摘されたことがないこともあり、卵子の質が悪かったのでは?と思うようになりましたが、20代で卵子の質が低下していることはありますか?
また、卵子の質が低下している場合、次回採卵までにできることはありますか?
次回の採卵に関してまだ何も方針が決まっていないのですが、前回の採卵時に全ての受精卵が分割停止した症例で、刺激方法の変更や微調整したことにより良好胚盤胞に到達することはよくありますか?
夫の仕事の関係であと数年は年度ごとに全国範囲で異動があります。もし次回の採卵で上手くいかなかったとしたら、採卵が1回できるかどうかのために今の地域内で転院するのと、転勤まで現在のクリニックで治療継続するのはどちらがおすすめですか?
【医師監修】いながきレディースクリニック 稲垣 誠 先生
1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」
20代で卵子の質が低下していることはありますか?また、卵子の質が低下している場合、次回採卵までにできることはありますか?
若年の方でも卵の質の低下がみられる方は一定数いらっしゃいます。
大雑把に2つのタイプがあって、一つは排卵障害等によって卵の質が低下している方です。こちらの方は適切に対応すれば卵の質の改善が期待できます。
もう一つは原因不明で卵の質が若年でも低下している方です。こちらのタイプの方は卵の質の改善は困難を極めます。
ねこさんがどちらのタイプなのか、いただいた情報だけでは判断しかねますが、前者のタイプであった場合、一定期間採卵等を行わないのであれば、低用量ピルを服用するなどして卵巣のコンディション調節を行うことを当院では提案する場合があります。
前回の採卵時に全ての受精卵が分割停止した症例で、刺激方法の変更や微調整したことにより良好胚盤胞に到達することはよくありますか?
一回目の採卵はPPOSで行われているようですが、この方法の場合、厳密には生理的なホルモン環境とはやや異なる状態で卵巣刺激~採卵が実施されることになります。妊娠率等に有意な差はありませんので気にすることはないかもしれませんが、もし他の方法で採卵を計画するとすれば、より生理的なホルモン環境に近い状態で行えるアンタゴニスト法等を試してみてもいいかもしれません。
もちろん主治医の先生にはお考えがあってのことでしょうから、主治医の先生の方針が優先されるべきであることは言うまでもありません。
もし次回の採卵で上手くいかなかったとしたら、採卵が1回できるかどうかのために今の地域内で転院するのと、転勤まで現在のクリニックで治療継続するのはどちらがおすすめですか?
現在通院中の施設に不満がないのであれば、必ずしも転院する必要はないと思います。次回の採卵~体外受精は成功するかもしれません。ただ、先進医療等の対応状況が施設により異なりますので、特定の先進医療(治療、検査)や遺伝カウンセリング等の希望がある場合はそれらに対応できる施設にご相談を検討されたらよろしいのではないでしょうか。