【Q&A】バセドウ病再発、生理の遅れ、量の減少、年齢、すべて不安です~浅田先生【医師監修】

Koziさん (41歳)
バセドウ病を2017年に発症しましたが、2021年3月から薬を辞め2024年9月まで安定した数値でした。9月に甲状腺の先生から「不妊治療にあたり少しだけ数値を下げたほうがいい」ということで薬を飲み始めましたが、その薬が効きすぎてしまい再度バセドウ発症。「ここから何か月かは不妊治療を一時中止してください」と言われました。バセドウ再発、生理の遅れ、血量の減少、年齢、すべて不安です。月経の量が減ったのはバセドウのホルモンの乱れなのかもしれませんが、とても心配です。今の私にできる事は何があるでしょうか。

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

バセドウ病は不妊治療に直接影響を与えるわけではありません。甲状腺ホルモンは赤ちゃんの発育にとって重要であり、特に神経系の発育に影響します。したがって通常、妊娠期間中は甲状腺ホルモンの分泌が増加します。しかし甲状腺に異常があり甲状腺機能が低下してしまう場合、甲状腺ホルモンを十分に増加させないといけないので管理が必要となります。

一方、バセドウ病は一般的に甲状腺ホルモンの分泌が多くなりすぎて、体調不良を引き起こす疾患です。甲状腺ホルモンの分泌が多いところに、妊娠で更に甲状腺ホルモン値が高くなると頻脈等が起こります。甲状腺ホルモン値が低い人には、ホルモンを投与すればよいですが、高すぎる人の管理は低い人以上に難しくなります。甲状腺の管理は、不妊治療のためというよりは妊娠中の赤ちゃんへの影響や母体のためにしっかりと行ってほしいと思います。

また、生理が遅れたり生理の量が減少したりするのは、年齢とともにそういった変化がおきますし、卵巣に残っている卵子の数も減少し、卵子も老化がすすんでいますので妊娠率も低くなっていきます。

更年期に近づくと、生理があってもきちんと排卵がされていない無排卵周期になっていき、ホルモンの量が少なくなり、生理の量も少なくなります。このような年齢的な体の変化で妊娠率が低くなっていますので、主治医の先生と相談しながら、早く結果がでるように治療をしてほしいと思います。

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