【Q&A】多発性の膜下筋腫の影響が心配です~稲垣先生【医師監修】

mkさん(42歳)
5年ほど前からタイミングを合わせていても妊娠せず、体外受精を2回しましたが着床したことがありません。採卵で卵は採れていて、胚盤胞になっています。今回、着床不全の検査で子宮鏡と通水検査を行ったところ、小さなポリープが見つかり、左卵管が詰まっていることがわかりました。それと、5年ほど前から漿膜下筋腫が多発していて、妊娠に影響ないからとそのままにしていましたが、子宮を圧迫していて右卵管が見えず、検査できない状態でした。これからTRIO検査も行って移植する予定ですが、筋腫の影響が心配です。
今まで自然妊娠や着床不全の原因になっていたとしたら、受精卵を凍結して筋腫を取ってから移植した方がいいのでしょうか?
年齢の事もありますが、体外受精するのであれば手術も考えた方がいいのではと悩んでいます。

【医師監修】いながきレディースクリニック 稲垣 誠 先生 
1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」

お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
●現時点で不妊原因の不明とのことですが、一度も着床していないのは漿膜下筋腫が原因だと考えられますか?
漿膜下筋腫が原因である可能性は低いと思います。漿膜下筋腫は筋層内筋腫や粘膜下筋腫と違って原則的に子宮内腔の形状には影響しないはずです。当然、その位置や大きさ、数によって卵管を圧迫したりなどの原因にはなりうると思います。
●主治医は「妊娠に影響がない」とのことですが、漿膜下筋腫はどのくらいの大きさや数であれば治療が必要になりますか?
筋腫の影響で採卵や胚移植に何らかのハンディキャップ(穿刺できない卵胞があるとか、胚移植が極めて困難である、など)が生じているようであれば、治療を検討してもいいのではないでしょうか。
●今後の治療の進め方についてアドバイスをお願いします。

自費診療も視野に入れてくださっているということなのであれば、PGT-Aを検討してみてはいかがでしょうか。正二倍体であれば一般的な着床率は70%程度とされています。相談者さまの経過であれば検査の適応はあると考えます。ただし、採卵~検査~胚移植のすべてが現時点ではほとんどの医療機関では自費診療になってしまうので、経済的な負担はかなり大きくなってしまいます。

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