凍結胚移植は子宮内膜の厚さが8mmになるのを待つべき?
子宮内膜が厚くならない場合、次の周期にする? 粘って待つ?
岩見先生●子宮内膜の厚さは個人差があります。ですから次の周期に回すかどうかは、その方の通常の内膜の厚さ、内膜の形状や状態、薄い周期の時の不正出血の有無、女性ホルモンの数値などから総合的に判断します。いただいた情報だけで判断するのは難しいですが、エストラーナRテープで8mmになるのを待つのは厳しいように思います。
通常の内膜の厚さにもよりますが、8mmに強くこだわることもないでしょう。着床と内膜厚の関係には確かなエビデンスがありますが、欧州の生殖医療ガイドラインでも推奨される厚さは7mmです。
D33での移植は遅すぎますか?
岩見先生●D21、内膜厚7mmでの移植がベストとされます。そうすると7.2mmだったD23は移植のタイミングだったといえそうです。
基本的に通常より内膜が薄い周期の場合はD25まで待ちますが、D33は遅すぎる印象です。その間内膜はずっと女性ホルモンにさらされて再生されることがない状態というのも気になります。いずれにしろ、厚くなりにくい原因を探ることが大事だと思います。
子宮内膜が厚くなりづらい場合は?
岩見先生●文献など総合的に判断してもエストロゲン数値が上がると子宮内膜が厚くなりやすいのは明らかなので、エストロゲンを追加します。エストラーナRテープは経皮製剤のため効果は穏やかで1日おきの貼り替え前にはホルモン量も減少してきていることもあり、併用が可能な場合には内服薬を追加するのが効果的です。
併用が難しい場合には内服薬への切り替えなども考慮してみてはいかがでしょうか。また、約1週間効果が持続するデポ剤(注射)を使うこともあります。
保険適用外ならG -CSF(顆粒球コロニー形成刺激因子)製剤やPRP(多血小板血漿)療法などの選択肢もありますが、これらは高額です。自費でも費用負担の軽い低出力レーザー治療は試す価値があると思います。
ビタミンDやC、葉酸などきょんさんがすでに取り入れているサプリメントに追加するとすれば、血流改善効果が期待できるビタミンEですね。また、子宮内細菌叢検査や子宮鏡検査を受けていなければ、検討してみてください。
流産を経験されたそうですが、着床した事実があるということですから妊娠のチャンスはあると思います。