長年の不妊治療で生理が不順になってきている?
長期にわたる不妊治療からホルモンバランスが崩れてしまうことはあるのでしょうか。
北村先生●不妊治療が長期にわたり、何年もアンタゴニスト法やショート法などの高刺激で治療を繰り返していると、卵巣の反応が弱くなったり、生理が不順になってしまうケースは時に見られるようです。
ただ、りっきーさんの不調について、そのことが原因で起こっているのかどうかははっきりとはわかりません。現在年齢が40歳で「最近は卵胞が2個くらいしかできない」ということ。もしかしたら年齢が高くなってきたことが原因で、卵巣の反応が徐々に悪くなってきているのかもしれません。
生理不順は治療に影響がありますか。
北村先生●自然周期で受精卵を戻す場合は影響があると思いますが、ホルモン補充周期で戻すのなら、生理不順があってもそれほど問題はないと思います。
毎周期ピタッと生理がくる必要はないと思いますが、卵子をつくる前の周期はある程度整えたほうがいいかもしれません。
生理不順を改善するためには漢方薬を使ったり、ホルモン療法でコントロールするなどいくつか方法があると思うので、主治医に相談されてみてはいかがでしょうか。
「もう採卵はしない」と考えられているようですが。
北村先生● PGT -A 検査まで行き着いて、ご自身としては先が見えてしまったのかもしれませんね。AMH値が1.4ng/mlなら、刺激法などを変えればもう少し多く卵子が採れるかもしれません。しかし、ご本人が前向きになれないのなら、採卵を続けることを強くおすすめはしません。
受精卵があれば、戻すタイミングをもう少しずらしても大丈夫ですか。
北村先生● PGT -A 検査をしてA判定の正常胚を確保しているということですね。染色体の異常が排除されている胚なので、40歳で戻しても45歳で戻しても妊娠率はそれほど変わらないと思います。あせって戻さなくてはいけないということはなく、数カ月とか1年程度移植を遅らせても大きな問題はないと思います。
ただ3年、4年と大幅に遅らせるのは厳しいのでは。ゴールは妊娠ではなく、妊娠・出産したらその後に子育てが待っています。ライフプランや体力のことを考えたら、遅くとも1年以内には移植されたほうが好ましいでしょう。