峯先生にお聞きしました。
東京在住です。
昨年7月から、都内の不妊専門クリニックに通っており、治療歴は体外受精1回、胚移植1回、採卵2回です。
今年度で助成金もなくなり、今後は高額治療に対する不安と、現在通っているクリニックでいいのかという不安があります。
保険適用外となる年齢であり、助成金も出ないので、今後の治療を続けていけるかという不安が強く、メンタル面においても不安と焦りしかありません。
43歳という高齢での不妊治療でも受け入れていただけるクリニックに転院したいと思うのですが、どのようにクリニック選びをすればよいのでしょうか?
【保険診療の原則】
保険診療と自費診療を同時に行う混合診療は禁止されております。
先進医療に当院が登録している自費診療項目以外、1回の治療の周期の中で混合診療は行えません。
1)採卵をご希望し受診⇒採卵⇒胚移植⇒妊娠判定
2)採卵をご希望し受診⇒採卵⇒全胚凍結⇒凍結融解胚移植⇒妊娠判定
3)凍結胚の移植をご希望し受診⇒凍結融解胚移植⇒妊娠判定
これらをそれぞれ1周期と考えます。
【治療計画の作成】
保険診療をご希望の方は予め治療計画を作成する必要がある為、必要に応じご夫婦での受診が必要となります。特に体外受精では治療周期毎の治療計画書にお二人が同意し署名することが必要となります。
【治療の回数の制限】
2022年4月1日以降で、初めて採卵を実施する月経周期の初回受診日の女性の年齢によって保険適用の回数に制限があります。
・初回40歳未満で開始した場合:通算「胚移植」6回まで
・初回40歳以上43歳未満で開始した場合:通算「胚移植」3回まで
ただし、43歳を迎えた場合は、新たに保険で胚移植の計画を立てることはできません。
*治療周期中に43歳を迎えた場合はその周期の胚移植で保険診療が終了となります。
・初回43歳以上で開始した場合は保険適用がありません。
回数は「胚移植」でカウントします。
上記が当院で患者様向けに保険制度をご案内する文章です。
患者様へのアドバイスとしては、不妊治療保険診療化がニュースとなっているなかで、43歳以上の方が焦りを感じる気持ちは大変よくわかります。金銭的な面では補助が受けられなくなりますが、治療内容が制限されるわけではありません。保険診療となりますと、保険診療のルールにのっとる必要がありますので、むしろご本人の希望に沿ったオーダーメイドの治療が受けられるとお考えになった方がよろしいと思います。
転院をお考えでしたら、ご年齢からは低刺激を得意とする施設が私はよいと思います。また、万が一次回の移植がうまくいかなかったときを考え、ERA検査やPGT-Aを行っている施設が安心ではないでしょうか?