気分一新、転院したい!

気分一新、転院したい!

実際どうなの?先生を信頼して治療を続けても結果が出ない時、誰しも一度や二度は「転院」の2文字が 頭をよぎった経験があるはず。

もし転院するとしたら、いつ? どうやって?

英ウィメン ズクリニックの松本由紀子先生に伺います。

 

松本 由紀子 先生 2001年、浜松医科大学医学部を卒業後、岡山大学医学部産科婦人 科学教室に入局。神戸掖済会病院、岡山済生会総合病院、姫路赤 十字病院を経て、2007年より英ウィメンズクリニック勤務。2013年に 副院長就任。先日、学会に出席するため、家族同行でアメリカに1週 間滞在してきた先生。「子どもたちにも良い経験になりました」。

転院の意思は先生に 伝えたほうがいいの?

まだ転院を決めかねている時は、 特に医師に伝える必要はないで しょう。

それに、最初から「転院」 と決めてかからなくてもいいのか なと思います。

当院では最近、来 院の目的が最初から「セカンドオ ピニオン希望」という方も多くい らっしゃいます。

自分にはほかに どんな治療法があるのかというこ とを、まず相談に来ていただくだ けでもいいのでは?

そういう方は本当にお話しだけ して帰られるのですが、どんなご 相談かといえば、「凍結胚がまだあ るんですが、この胚移植の方法で いいですか?」とか、「もし転院し てきたら、私のようなケースはど んな治療ができますか?」とか、 質問もかなりストレートで具体的 です。

もし今までの治療と同じだっ たら転院する必要がないし、ほか に方法があるのなら転院したいと 考えていらっしゃるようです。

それに、転院したから絶対そこで 治療しなきゃとか、以前の施設で はもうできないと決めてかからなく てもいいと思います。

「合わないな」 と感じたら、思い切ってセカンドオ ピニオンだけでも受けてみてはどう でしょうか。

紹介状や治療履歴が 必要なの?

なくてもかまいませんが、あったほ うが治療方針を立てやすいということ はあります。

なぜかというと、紹介 状があると今までの治療の経緯がご 本人からだけでなく、ドクターからよ り正確な情報が伝わるからです。

卵 巣刺激の方法とか、薬の種類とか、 検査で異常がないといわれたけれど、 実は異常があったとか、紹介状がある とわかりやすいですね。

転院するので治療履歴を発行してほしいと施設側に依頼することは、ご 自身が費用をかけてされてきた検査 や治療ですので、決して失礼なことで はありません。

ただ、なかにはどう してもいい出しにくいという状況もあ るでしょう。

そんな時はお手持ちの 検査結果や、ご自身で残された治療 の記録などを見せていただくだけでも 十分参考になりますので、ぜひお持ち いただければと思います。

転院する際に 新しいクリニックで 何を伝えればいい?

一番教えていただきたいのは、 今までどんな施設で、どのような 治療を受けてこられたかというこ とです。

当院では問診票があるので、皆さん書いてくださるのです が、詳しく書かれている方と、そ うでない方があります。

一口に「転 院」と書かれていても、一般の産 婦人科からの転院と、当院のよう な不妊治療の専門施設からの転院 では内容が大きく異なります。

ど のような施設で、どれだけの治療 と検査をされているのか詳しく教 えていただきたいですね。

「うちではもうこれ以上できること はない」と、以前の施設でいわれ たとおっしゃる方がいるのですが、 クリニックや病院によって治療方 針が大きく異なるのはよくあるこ とです。

治療内容を詳しく聞いて みると、まだ一つの方法しか試さ れていなかったりするケースがあ りますね。

胚移植や卵巣刺激の方 法にはいろいろなバリエーション がありますから、今までと違う方 法で採卵したり、マイルド法で新鮮胚移植をしたら妊娠できたとい うケースもあります。

それらのこ とを今まで何も試さずに治療を諦 めようとされているとしたら、そ れはとても残念なことです。

そして、転院する時は「こうい う治療がしたい」とはっきりした 目的をもって来ていただくのがい いと思います。

セカンドオピニオ ンでは、遠くからの通院が必要な 方には近くの施設に通うメリット をお話ししたり、治療効果を見出 せる可能性が低い方には、そのこ とをお伝えすることも。

試してみ たい治療があれば、転院は絶好の 機会にもなりますので、ぜひご相 談いただきたいと思います。

Q.凍結胚(受精卵)を持って転院できるの?

A. 凍結胚の移送は、原則としてあまりおすすめしておりま せん。

当院では転居などの事情でやむを得ない場合、受け 入れていただく移送先の施設にご了承いただいた後、手続 きや費用のご負担も含めて、患者さんご自身の手で運んで いただくことにしています。

施設によって凍結の方法が異な りますし、融解時に胚が変性してしまったり、移送時のリ スクもありますので、原則的に胚移植は凍結した施設で行 うべきと考えたほうがよいでしょう。

Q.一度した検査、またしないといけないの?

A.検査の結果や種類、また検査を受けられた時期によっ ては再検査をお願いするものがあります。

AMHFSHな どのホルモン値や子宮卵管造影検査などもそうですね。

半 年前、1年前の検査結果なら参考になりますが、5年前に 受けたきり、という方は再検査が必要です。

男性の精液検 査も、乏精子症で常に基準値を大きく下回るようなケース は必要ないですが、タイミング指導のみで2年前の検査履 歴だけというような方はぜひ再検査を。

Q.治療の途中で転院しないほうがいいこともある?

A.セカンドオピニオンで時々ありますが、採卵されてせっ かく凍結胚ができたのに、一度も胚移植されずに転院した いというような方ですね。

転院には培養環境を変えるなど のメリットがありますが、一度、移植されてからでも遅くな いと思います。

流産後、まだ凍結胚があるのに残したまま 転院される方も、少しもったいない気がします。

年齢が同 じなら流産のリスクはほぼ変わらないので、すでに凍結胚 がある分、次の胚移植が早く行えますよ。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。